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「ライバルの存在」の巻

 日本でハンバーガーと言えば、マクドナルドの独壇場。モスバーガーやロッテリア、昔懐かしいドムドムとか、もちろんあるけど、知らない街で見つけるのは難しい。アメリカでももちろんマックが筆頭だが、どこの街に行っても、バーガーキング、ジャック・イン・ザ・ボックスなど、お気に入りのライバル・チェーン店を見つけることは容易だ。
 フライドチキンはどうか? 
 写真は、サウス・ロサンゼルスにあるフライドチキンのチェーン店「チャーチズ」(2004年3月10日撮影)。日本ではフライドチキンはケンタッキー・フライドチキン(KFC)の独壇場だ。アメリカでもKFCはチキン界のマック(ただ、筆者の知識は西海岸に偏っているので、他の地域では違う事情があるかもしれない)だが、ライバル・チェーンもちょこちょこみられる。「チャーチズ」もそのひとつ。筆者は「ポパイズ」がおいしい(KFCがまずいと言うことではない)と思うのだが、米軍基地以外で食べたことがない。西海岸には少ないということなのだろう。
 ところで、初めてアメリカに来た1983年の夏、テレビを見ていて衝撃を受けたのが、ライバル社をこき下ろすコマーシャルの存在であった。いわゆるネガキャンというやつだ。もちろん、今もその伝統は脈々と受け継がれている。特に、処方箋薬のコマーシャル(日本では考えられないが)で顕著だ。
「チャーチズ」のCMはその頃、どう見てもKFCのものだとわかる紅白の箱を蹴っ飛ばすというシーンがあった。「チャーチズ」という名前からは想像できない過激なコマーシャルで、教会の世話でホームステイをしていた小生の度肝を抜いた。
 残念ながら、在米中に「チャーチズ」には行かずじまいだった。近所になかったことが大きな理由だろう。結局ファスト・フード・レストランは、基本的には、そこにあるから行くわけで、あえて、「○○の××を食べよう」と考える前に、近所にある店で済ませるのが普通だろう。マックやKFC、そしてサブウェイが強いのは、そういう要素が大きいハズだ。勿論、悔しいけど、知っているから安心して食べられるということもある。その安心感が、冒険心を押さえつけるのだ。

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「ライバル」(2005年12月18日 00:03付)に加筆修正した。

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