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松永依織さんのカバー曲「航海の唄」と「ミカヅキ」について

どうもこにゃっくです。

ちょっと今さら感があるのですが、2021.5.14 久しぶりに松永依織さん(以下、依織さん)の新カバーMVが出ました。

航海の唄 (About a Voyage) - さユり // covered by 松永依織

信じる それだけでいい

Original:航海の唄 / さユり
作詞 作曲:さユり
https://youtu.be/6AxXuUptVjQ

Track & Mixing : 株式会社ジーアングル (https://www.g-angle.co.jp/)
Movie:シャチハタ (https://twitter.com/Shachi_mv)
Cover design:RIOT MUSIC STAFF

依織さんの通算25作目のとなるソロカバー曲で、前作の「ピースサイン」から1ヶ月強となる久しぶりの投稿です、またこの原曲を歌っているさユりさんの曲をカバーするのは昨年5作目にカバーした「ミカヅキ」以来2曲目となります。

この「航海の唄」はアニメ「僕のヒーローアカデミア」の4期EDのテーマ曲なのでアニメで馴染みがある人も多いかと思います。依織さんは昨年さユりさんメドレーの弾き語り配信でこの「航海の唄」と「ミカヅキ」を弾き語って以来だったのでこの「航海の唄」のMV化は非常に嬉しいですね。

その時の配信【弾き語り】さユりさんの曲をお届け ミカヅキも歌うよ!で依織さんはこの2曲について感じたことを語っていましたので、「航海の唄」を聴く上で今回は少し「ミカヅキ」についても触れてみようと思います。

それでも誰かに見つけてほしくて舞い上がる

それでも 誰かに見つけて欲しくて
夜空見上げて叫んでいる
逃げ出したいなぁ 逃げ出せない
明るい未来は見えない ねぇ
それでも あなたに見つけて欲しくて
蝶のように舞い上がるの
欠けた翼で飛んだ 醜い星の子ミカヅキ

1番サビ 出典 ミカヅキ - さユり- / 作詞:さユり 作曲:さユり

誰しも自分の嫌いなところ、欠けている部分、足りない部分がある。
ありのままの自分を愛せない人が多いし自分もその一人である。
そう配信で語る依織さんは「ミカヅキ」の歌詞に出てくる「逃げ出したい」「泣き出したい」「明るい未来が見えない」などのネガティブな発言に対して、自分の欠陥を認めながらそれでも誰かに見つけてほしい、あなたに見つけてほしいから、どんなに泣き出したくても自分のことが嫌でも、地面を這いつくばってもがきながら進んでいくという、「ミカヅキ」はそんな自分に言い聞かせる歌だと言っていました。

さユりさんは聴き手に寄り添うような自分に言い聞かせる曲が多い。自分にあてはめられやすい。依織さんは「ミカヅキ」を収録した時に感情移入をしすぎて喜怒哀楽などのいろんな感情がぐちゃぐちゃになるくらい魂を詰め込んだ曲だと語っています。

蝶のように舞い上がっても欠けたままの自分、完璧ではない自分を認めたままミカヅキのままでも光ることが出来ると、自分を信じ続ける道を突き進んでいこうとテーマになっています。

依織さんがデビューしてまだ2ヶ月も満たない頃にカバーした「ミカヅキ」は依織さんの中でもいろんな不安やまだまだ完璧ではない自分を認めながらこれから歌い続けなければならない、これから誰かしらに自分の声が届いて必要とされるために「あなた」ではなく「自分」に言い聞かせる、奮い立たせるために歌ったのかなと感じました。


足りないものは足りないままで構わない

失いがたい光だった 優しい易しい あいだった
それでも 君は行くんだろ
足りないものは足りないままで構わないよ、今から探しに行こう

1番Bメロ 出典 航海の唄 - さユり- / 作詞:さユり 作曲:さユり

今回依織さんがカバーした「航海の唄」は、さユりさんの1stアルバム「ミカヅキの航海」に収録された曲です。航海とは新しい世界への船出を表しています。「足りないものは足りないままで構わない」という言葉は欠けた翼のままありのままの自分を受け入れていいんだという「ミカヅキ」と同じメッセージでありますが「ミカヅキ」は「自分」に向けた曲に対して「航海の唄」は「あなた」へ向けた曲として捉えることが出来ます。次のサビの部分が象徴しています。

信じるそれだけでいい

強さは要らない 何も持って無くていい 信じるそれだけでいい
この先でどんな痛みが襲ってもそれだけが君を救うだろう
臆せず 歩き出せ

1番サビ 出典 航海の唄 - さユり- / 作詞:さユり 作曲:さユり

強くなんかなくていい、何も持たなくても信じていればそれだけでいい。この言葉は聴き手に対してのメッセージであり、必要なものは覚悟だけということですね。これから先どんな障害や困難が待ち受けていたとしても信じていることで立ち向かっていける。怖がらずに進んでいけると「あなた」に対して強いメッセージを届けています。

依織さんは前述した配信の中で、この言葉を聞いて本当に救われたと語っています。依織さんの中でもいろんな挫折や苦労をしてきたと思いますが、まだ自分の強さも確固たる自信がない中でこの「航海の唄」を聴いて感じてきたことは本当に依織さん自身の励みになったんだろうなと、あの配信でさユりさんの事をいかにリスペクトしているかが伝わりました。

正解なんて考えなくていい

破れた地図の先を記し始めた 海の真ん中
正解なんて無いね 分かっていても痛むもの
ねぇ、多くを望んでる?いるわけじゃない
ただ無くせないもの一つ守るために
新しい扉の先 船は進んでく

大サビ 出典 航海の唄 - さユり- / 作詞:さユり 作曲:さユり

破れた地図の先というのは一度は目指した未来があったけども、挫折してしまったのでその先の未来が見えなくなった、それをもう一度作り直している。ただ作り直すために正解なんて考えなくていいから、自分の信じた道を突き進むだけでいい。信じるということをたった一つ守りぬくために新しい航海の旅に出るのだと。

この大サビの部分はラスサビに向かってどんどん感情が高まっていくところで、特に依織さんの覚悟や信念を持った歌声が感じ取れました。私は依織さんがカバーしてきた曲の中でもこの「航海の唄」が一番その強い意志というものを感じました。この曲は疾走感があって最初から最後までカッコイイ、依織さんは曲中の息継ぎをさユりさんと同じ箇所で完璧にかつダイナミックに感情を表現しています。

それは「ミカヅキ」をカバーした時や配信で弾き語りをした時とは全く違う表現の仕方で、デビューしてから8ヶ月あまりの間で経験した多くの出来事や目標を達成した上での今回のカバーだったのではないかと思います。ありのままの自分を愛することが前提というのは、最近の依織さんの活動を見ても自分らしく音楽活動以外にもいろんな事に挑戦されていることがそれを物語っています。

この8ヶ月あまりの歳月で依織さんはRIOT MUSICの1stLIVEの経験やオリジナル曲「カクテルライツ」のMV公開など様々な経験と困難の中で自分の弱さに向き合ったりそれを肯定したりすることで、より多彩な表現を歌う上で出すことが出来たのではないでしょうか。今回の「航海の唄」のカバーはそんな経験と表現が多分に詰めこまれた作品だと感じました。

「強さは要らない 何も持って無くていい 信じるそれだけでいい」
依織さんが届けてくれた強い意志とメッセージのおかげで、安心して明日も頑張れそうです。




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