【ガジェット】ポメラDM200
私は現在、ほぼ全ての小説をキングジムさんのポメラDM200を用いて書いています。
DM200というモデルは現行最新のものであり、折り畳み式キーボードで発売されたポメラシリーズの中では異色の、DM100を源流とする折り畳み機構を有さない長方形のシルエットをしています。
なぜ私がDM200を愛用しているのか、少しでもこのNoteを読んで下さった方々にご理解いただければ幸いです。
形状
・DM200とDM30
現在、ポメラという製品は形状という観点から2種類に分けられます。
一つはキーボードが折り畳み式になっているもの、もう一つは折り畳み式になっていないものです。
初代であるポメラDM10は前者であり、以後5つのモデルは全て折り畳み式が採用されていました。それだけに折り畳み式キーボードはポメラの代名詞ともなっていたようで、後述のDM100が発表された際はかなりの衝撃だったようです。
折り畳み式の利点はなんと言ってもそのコンパクトさで、単純にキーボードの横幅の半分になるため、持ち運びという最大の利点を生かすことができます。
この折り畳み式を採用した、いわゆる正統進化系のポメラ最新モデルがDM30という機種で、こちらは2018年6月に発売(Wikipedia)されたようです。
残念ながら、DM30は現在製造終了となっております。
一方で、キーボードに折り畳み機構を採用せず最初からストレートタイプの構造を採用したのが、DM100という機種です。こちらは2011年11月に発売されました。
折り畳み式キーボードを採用しないことにより、サイズとシルエットは今までのものとは大きく変化しました。
既存モデルと比較して横長の長方形となり、そのまま薄くなったようです。
ちなみに私が初めて触れたポメラはDM100からなので、実は折り畳み式は一度も使った事がありません。
2016年に発売されたDM200はDM100の次世代機という位置づけであり、長方形のシルエットをそこから受け継いでいます。
大きさもだいたい同じなので、DM100の純正ケースに入れて持ち運ぶ事が可能です。
DM200の新しい点としては、初めてバッテリー駆動方式を採用したことでしょう。これにより重量が増したというデメリットが挙げられますが、私は逆に重心がしっかりと下に固定されたため打ちやすくなったと感じています。
まとめ
・現行最新機種はDM200とDM30
・DM30は折り畳み式キーボード
・DM200は非折り畳み式キーボード
・DM100とDM200
DM100とDM200はどちらも非折り畳み式キーボードを備えたポメラです。
大きさは他のポメラと比べて横幅が二倍ほど、縦幅はあまり変わらず、薄さは半分程度になっています。
私がポメラという商品を知ったのはDM100が最初で、こちらを数年愛用した後にDM200へと乗り換えたため、折り畳み式ポメラの利点をあまり話すことはできません。
ですが、DM100からDM200へと乗り換えた事で分かった利点をいくつかご紹介します。
電池からバッテリーへ
両者の違いとしてもっとも大きなものは、駆動方式が電池からバッテリーになったことでしょう。
DM100はそれまでのポメラシリーズの系譜を受け継ぎ、単三電池2本を動力としていましたが、DM200はバッテリーへと変更されています。
電池からバッテリーへと変わった理由としては、ATOKをより高性能なものにしたことやディスプレイサイズが大きくなったことなどで必要な電力が増えた事が挙げられるようです。
バッテリー式に変わった事により、DM100の「電池が切れてもすぐに替えることで作業を再開できる」という利点が失われ、ポメラを充電する必要がでてきました。
私もDM100から乗り換えた際には少しこれが気になってしまったのですが、モバイルバッテリーを携行することで解消されました。
どうせ出先で書く時はスマホの充電も気にする必要があるので、慣れれば特に意識することもないです。
ちなみに使っているモバイルバッテリーはAnkerのPowerCore Fusion 5000という、バッテリーとプラグが一体となったものです。めちゃ便利。
それと、バッテリーへと変わった事で良かった点がバランスです。
DM100では電池を蝶番の部分に二つ直列で装着するのですが、そのせいで画面を展開したときにバランスを崩して向こう側へ倒れることが良くありました。
キーボード叩いてるときは問題ないですが、手を離したときにぱたんと倒れてしまうのは少しもやっとしていました。
しかしDM200はバッテリーがキーボード下、筐体底部の半分ほどの面積を占めている事もあり、重りとしての役割を果たしてずっしりと立ってくれます。
これがなかなかいい安定感で、ちょっとした所にまで改善が行き届いているのを感じて感動しました。
あと、個人的に電池はゴミ出しが面倒なので充電式のほうがよかったです。
ショートカットボタンの廃止
DM100ではディスプレイの左右にショートカットボタンがありました。
カレンダーやQRコード、Bluetooth機能、各種辞書へのアクセスなど、私も多様していた便利なボタンです。
DM200ではそれらがすべて廃止され、各種機能へは画面内に表示されたメニューバーか複数キー同時入力によるショートカットでアクセスするようになりました。
まあこれも最初はそれなりに不便を感じていたのですが、人間慣れるものです。
キーボードから手を離さず作業出来るので、辞書へのアクセスはむしろスムーズになりました。
でっぱり
DM100には、筐体の左上にキーホルダーなんかを装着できるようなでっぱりがあります。ぶっちゃけ全然使いませんでした。
DM100の純正ケースはこのでっぱりに合わせてちょっとだけぽこっとしてます。
鞄から出すときにつまみになってるような気がしないでも無いです。
あんまり必要性を感じず、DM200で廃止されても特に困ってません。
キー配列
変わってません。
なので移行もとてもスムーズでした。
印字の色がDM100がちょっと黄色っぽいのが、DM200だと白くなった程度でしょうか。
US配列ではなくJIS配列であるのも、個人的にはとてもよいです。
打ちやすさも(慣れもあるのでしょうが)私好みでとてもよいです。
DM100では展開時にキーボードが斜めになるため少したわみがありましたが、DM200は底部にバッテリーがあるからか分厚くなっており、それもありません。
・ディスプレイ
もとから私はディスプレイにはフィルム貼る派なのであんまり気にしてないのですが、DM200はグレア液晶なので結構自分の顔が反射します。ダークモードにしてたら余計に。
なので私はノングレアフィルム貼ってます。
まとめ
・電池からバッテリーへ
・ショトカボタンがなくなった
・謎でっぱりがなくなった
・キー配列は特に変わってない
・ディスプレイはグレア(反射タイプ)液晶
機能
これまでは外観や構造など物理的な面をご紹介しましたが、ここからはDM200の機能面、ソフトウェア的な側面に入っていきます。
全ての機能ではなく、普段私が多様しているものにフォーカスしていきたいと思います。
・画面分割
DM100でもできたっけ?
とりあえずDM200では画面を二つに分割することが可能です。
方式は2種類あって、同一ファイルを開く分割と違うファイルを開く比較です。
【分割】
【比較】
私は、分割はあまり使いませんが、常に比較機能を使っており、右に小説本文、左に設定資料という配置にしています。
Alt+Tabキーでカーソルを置くウィンドウの切り替え、Ctrlキー押しながら方向キーでサブウィンドウのスクロールもできるので、とても楽です。
画面分割中は後述のアウトライン機能は使えません。
・アウトライン
これはDM200からの新機能です。
特定の記号(デフォルトでは「.」)を行頭に付ける事で、アウトライン化することが可能になります。
.大見出し
..中見出し
...小見出し
といったように、記号を重ねる事でノードを下へ下へと付けることができます。
階層は最大10まで下げられるようですね。
アウトライン化の利点は、情報の整理にあります。
私は小説の設定などを書いたファイルをアウトライン書式にしていて、参照性を高くしています。
・QRコード
めちゃくちゃ使ってる機能です。
ポメラはスマホアプリにpomeraQRというものがあり、それを使う事でポメラ側で生成したQRを読み込みスマホに文章を転送する機能があります。
QRコードには種類があって、pomeraQRアプリに最適化された(たぶん)pomeraQRというモードと、普通のQRコードというモード。そしてそれぞれに大・中・小の三つのサイズがあります。
1つのQRコードに内包できる文字数に限りがあるため、長い文章だと複数のQRコードに分割されます。
私は普段、3,000字程度の文章を小サイズのpomeraQR形式でアプリで読み取っていますが、大体30個いかないくらいの数になります。
サイズを中や大にすれば分割数も減りますが、その分細かくなって読み取りに時間が掛かる時があるので、私は小にしています。
エンター連打でどんどん切り替わっていくので、スムーズに行けば5秒掛からないと思います(主観)。
pomeraQRアプリで読み込んだものは、そのままコピペできますし、Evernoteなどに転送することも可能です。
私は大体コピーしてなろうにペーストしています。
アプリ側で履歴が保存されるので、いくつかの文章を纏めて送ってからアプリで整理ということもできます。
・各種辞典
DM100の時から辞典がついています。
DM100では国語、英和、和英の三種でしたが、DM200ではそこに類語が追加されています。
がっつり意味を調べたい時などは電子辞書なんかを使った方が確実ですが、意味をど忘れしたときとか、表現を替えたい時などに凄く使えるので便利です。
SHIFT+方向キーで文字を選択してからショートカットキーで辞書に飛べば、自動で選択中の文字で引いてくれるのも便利です。
各辞書へのアクセス
類語:Alt+F7
国語:Alt+F8
英和:Alt+F9
和英:Alt+F10
・ダークモード
背景を黒、文字を白にしてくれる表示モードです。
たぶんDM200からの新機能。長時間執筆しているときなどは目が(比較的)疲れにくくなって良いです。
・書式
DM200からフォントがゴシックと明朝の二種類から選べるようになりました。私は小説みたいとかいう安直な理由で明朝ですが、ゴシックも可読性が高くていいです。
文字はサイズを16,20,24,32,40,48(dot)の六段階から選べ、横書きと縦書きに対応、また行間も0,1/4,1/2,3/4,1(行)の五段階から選べます。
更に背景も罫線、マス、無地の三種から選べます。
私の設定
フォント:明朝
文字サイズ:20dot
文字列方向:横書き
行間:1/4行
・かしこくなったATOK!
あとDM100から200での進化としてもっとも大きいのはこれだと思います。
バッテリー方式になったことで、ATOKが賢くなりました。
ていうかDM100のATOKがかなりのポンコツだったのですが、それがDM200ではかなり解消され、思った通りの変換ができるようになりストレスが激減しました。
これだけのためにDM200に買い換えてもいいんじゃない?
それでも変換辛いんじゃって人のために単語登録もちゃんとあります。オリジナルの固有名詞や短縮系はこちらで登録しています。
まとめ
・画面分割で設定見ながら本文書ける
・アウトラインで情報整理
・QRコードで楽々転送
・各種辞典が地味に便利
・ダークモードで目に優しい
・書式がいろいろ
・ATOKかしこい!!!
ポメラDM300に望む事
ここまで割とべた褒めしてきたDM200ですが、やっぱり少しは不満に感じる点もあります。
そういうのが解消されてったらいいな……。
・インジケーター
ポメラDM200はバッテリー式なので充電が必要です。
しかし充電中や充電完了を示す、外部から視認可能なランプのようなものはありません。なので充電がどれくらいできてるかはわざわざディスプレイを開いて画面で確認するしかないのです。
めっちゃめんどい。
なんか外から見て分かるランプ類がついててくれると嬉しいです。
・Bluetooth機能
個人的に全然使わないもの代表。
Bluetooth接続でスマホやタブレット、PCなんかのキーボードとして使えるのですが、ポメラ自体に画面ついてるのもあって使いにくい。
yoga機構みたいにディスプレイがぺたんと360度回ってくれたりしたら使いやすいのかなーなんて思ったりもしてます。
個人的に気になる点はこれくらいですかね?
あとは本当に、高い水準で完成されたとても良い製品だと思います。
欲を言えばドロップボックスなんかの参照・編集機能あれば嬉しいけど、ネットに繋がるのはなんか違うというか魅力がそがれてるので……。
DM100と比べてずっしりしたとは言えそれは安定感に繋がっていますし、機能面はかなり(特にATOK!)充実しています。
DM30のような折り畳みではないぶん剛性がしっかりと確保されており、長辺もA4用紙が入る鞄なら余裕で収まります。むしろDM30より薄いので収まりはいいんじゃないのかな? って思ったりも。
画面がDM100よりも広くなったのも、作業がしやすくていいです。
まとめ
ポメラDM200はいいぞ!
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