2017-18 旅川柳(全33都市295句)
せっかくの休日だが、自粛ムードなので家にいる。そこで久々に投稿。私はインドへ行くときに、旅をしながら詩を書こうと意気込んでいた。しかし、実際には初めての一人旅の困難のため、川柳のようなものを日記の合間に書きなぐるのがやっとだった。これは私が旅をしているときに出会った出来事や日々の感想を書いたものである。また、楽しくもあったが楽ではない旅のなかで自分に言い聞かせるようにして書いた言葉も混じっている。説明などは加えないため意味の伝わらないものが多いが、写真もつけたのでぜひ。
1031 片想いは諦めろとおみくじは言う
父を慕って漸くカプセルホテル
1101 彦島口から島は見えず
下関
一度出たらあとに引けない功山寺
夢かと思っても現実
久しぶりに濃い尿の出た夜更けかな
長府
長州の広さに独り驚く無知な僕
1102 野山獄の松蜘蛛の住み家
晋作も見た河を見る
萩
1104 波しぶきがかかったから中へ入る
晋作も通った海にいる
波もまた今の僕の現実だ
この雄大な海を見て不安げに笑う僕
船中
1105 彼が来て僕が来て誰が来る
一つのカードに一日費やす今の僕
予想よりずっと短かい外白橋
たくさんのアメ横の香嗅いだ今日
1106 道は歩けないが道を歩いた
君と見たい外灘の夜景
上海
1111 散々歩いた道を戻る
汚いとは何だろう考えることはやめよう
外を歩いて生活を見る
水を飲み不安を抱えてさあ消灯
コルカタ
1113 トトロの木の下でリラックス
うしとやぎとにわとりといぬ
束の間の安らぎの時
旅にいてただ昼寝する良き日かな
1114 朝露にベンチを奪われ立ち見の田畑
屋上で洗濯物と同様の僕
1115 山の斜面に物乞いが手を差し出して座ってる
道でネテモ自由
帰ったらキンキン牛乳飲みたいな
1116音楽とリアルPVドライヴィング
ブッダさんどうしてそんなに好かれるの
ブッダガヤ
1124カレーを食って再開
大学にも物乞い
1127 昨日と今日はsmall Raja
1128 商店街牛の後を歩く僕
新たなる目標目指し先を行く
服失くしたら荷物減ったと前向きに
しゃん亭しゃん亭の右が宿
1129 夜の電車の不安もまた心地よし
ヴァラナシ
1130 毎日が途中毎日が出発
蚊に刺され瘡蓋だらけの僕の足
1201 つめ伸びたなつめ切ろう
靴は入口明日への誓い
蚊を殺し朝にはおでこに赤の色
今、少しオートリキシャー恐怖症
ビリーとお香とカレーの臭い
1202 レジデンシーに牛はなし
切実に三月で良しと我が心
歩こうとしても歩けぬ疲れ気味
バイクなら歩道走っても大丈夫
1203 千ルピー損してバス乗り得した気分
一本のたばこを買い吸う異邦人
ラクナウ
蚊に刺され英語解らずナイトフォート
皆違う寺の模様に興味持て
この国のチャイ屋が俺の青写真
車よりジャンジャカ優先インド人
金あれど金が使えず金あれど
タージ見て我が思うこと小さしと
アーグラー
1206 くらやみでフィッシュカレーと酒たばこ
ジギジギテンプルメニメニピープル
さいならと子どもに言われて返す俺
レストランローカルフードデリーシャス
今9時で明日の9時に城へ行く
星があり犬歩いてて僕がいる
インド人グッドカルマを欲してる
ダンス見てガールの足みる今宵かな
ビリー吸い腹フル寝る僕夢を見る
1207 寺は寺もし半分も瓦礫でも
カジュラホ
1208 人の少ない宮殿を少年のように探検した
トイレにはカギがなくてヒモがある
やっと櫛を買えた今日
ヘナ剥がし模様に感動今日は寝る
櫛を買いインディアスタイル明日から
オルチャ
1209 FROOTI is nice !
ビリヤーニ骨は道端犬が食う
ジャンスィ
1210 鉄道の窓の景色にやはり牛
地図貰えなくても落ち込むな
今日は休日午後は宿
ビリー吸い唇の裏を火傷する
1211 きっと前世はインド人カレーを食ってそう思う
ビリーにも銘柄あると知った今日
1212 宿除き一番高い耳かけ代
1213これ最後ライター置いていざ聖地
Sun temple ひとつひとつが穏やかで
グワーリヤル
1215ひとてらでドネーションツアー開催中
いま一月三つ聞けたと喜ぶ今日
ガン見され視線を逸らす異邦人
凧引っかけ電線飾る子供達
チャイ飲むか魔法の言葉にひっかかり
ハリドワール
1217 さっき見つけた神様タワーは明日行く
セレモニー終わりが見えずチャイ屋行く
橋の端馬に挟まれ苦笑い
1218 チャイ屋も施しサドゥは無料?
明日からの朝飯夕飯決まった今日
meditation足がしびれて
おじいさんに誘われて二食目の夕飯
今日は4回葉っぱの誘いそのうち3回日本語の誘い
ビートルズも歩いたろう道を歩く
B・J・P!ゲリラ爆竹背に受けて
1219 グジャラートの大家族とトークトゥゲザー
1221 ガンガーとヤムナー河でプジャ
をした
透明と緑の水のクロス地点
水に流すの言葉通りに水に入り
水流れ馬ひと歩き僕眺め
リシケシ
1223 さあ今日も寒くなります夜8時
サンタ帽ツリーにピザもあるインド
肉食って明日は自力で頑張ろう
馬に乗りとことこ進む異邦人
1224 インドらしくない街でぶら歩き
夕日を見るのもひとり
パンツだけあればいいかと2枚買い
1225 家恋しヒマラヤ山に夕日落つ
正直言って寂しくなって邦楽聴く
映画館口笛鳴らすインド人
お湯出ても水来てなけりゃ意味がない
シムラー
1227 リキシャーで後ろに乗った帰り道
ラホールまで23キロ表示の衝撃
アタリー
1228 絵画見て
全宗教お経長いの共通か
公園も寒けりゃ人も寄り付かず
1230 一時もハリマンディルは眠らない
少し出てバンダナ外し煙草吸う
影を見て背筋を伸ばす異邦人
強くなりたい楽しく生きたい祈る今日
1231 0101 ニューイヤー異国の寺院で花火聞く
ドミトリー人と会えるが不向きかな
初詣強く念じる再印を
アムリトサル
0103洗濯を乾かすファンが身に凍みる
0104 ガンジーの歩き姿に感動す
サルマンに近づきたくてレザー買う
金使い明日は節約しよかと思う
疲れたとひとり机に向かってもどんなときでもカレーはうまい
デリー
0108 物乞いのあまりの多さに落ち着かず
賽銭は炊き出し釜に投げ込むか
ランガルはイスラム教の習慣か
黄金のジオラマに退屈
床屋行きサルマンヘアーとシェービング
アジメール
思いかけずまた洗濯物と同様の僕
弟を見送る兄と駅に行く
帰り道バスに飛び乗る異邦人
屋上で火を囲みながら酒を飲む
水のない河にはたくさん牛と鳩
少し風邪気味旅続く
湖のそばでダンスと演奏会
シヴァのプジャまたあの鐘の音を聞けた今日
もういまは駱駝と会っても驚かず
屋上で日本の曲聴き昼寝かな
0109 列車からの景色にも牛
プシュカル
英語表記の少ない町に戸惑って
0110 ガサガサとACの中で鳩動く
正露丸効果出てきて今日快調
さて明日はいざムンバイだかきくけこ
アーメダバード
0111 ムンバイはまさしく都会思う今日
中華食べ元気をつけて歩く道
二ヶ月ぶりの海に想う
0112 砂糖黍ジュースの冷たさに感動
実物のこの小ささに驚けないこの僕のこの感性
カップルがビーチで寄り添い夕日見る
弱気になってもひとり
明日にはまた腹下すると知りながら飲むの止めれぬこの暑さかな
海沿いを朝歩きながら鳥を見る
マリンドライブ一人で歩く異邦人
ムンバイ
0115 青空とバッファローを追い越して
海にだって牛
曖昧に沈み行く陽を眺めた日
いま勿論インドにいるのにヨーロッパ
いつにでも楽しくなれる気がした日
牛が食えたと喜ぶ
船に乗りイルカの背ビレを見た七時
ナゼソンナニエニナルノダロウオウベイジン
暮れなずむ海辺で何故かシャドウする
汗かいて水の代わりにビール飲む
なんとなく魚一匹食べてみる
波の音を絶え間なく聞く三日間
一人ではもったいないと思うゴア
0118 パロレムとカラングートとアンジュナと
葉っぱどう?ようやく聞けたアンジュナで
列車バス意外と静かなインド人
ゴア
人に聞き人に聞き宿に着く
もし君と二つの椅子見て想う夜
0119 帰り道迷って見つけたkitkat Rd.
怪我の功名ゼンが二千
蚊が多くバルコニーにはいられない
真っ昼間車道で跳ねるココナッツ
シナゴーグカラフル電球オシャレだな
無料乗りで小遣い稼ぎの共犯者
漁師の手のひらは固し
0120 間一髪列車に飛び乗り息をつく
コーチン
0121 海を見て憂い忘れた佳き日かな
なんとなく言葉を信じて真珠買う
東の海と西の海を両方見た日
サンセット昼間に行ってぐっとなる
あの海はアラビア海かと感動す
この青を唯見せたくて写真撮る
写真を見せる人のいることの幸せ
0122 この海はこの旅だから見れたのだ
気付いたら誕生の日はイントレイン
この波はこの波だけだと知った今日
陽が昇り陽が沈むのは必然か
カニャクマリ
0123 スリランカへと続く島を眺めた日
海上に積乱雲が乗っかって
ただバスを自由に使えた喜び
プジャ探し夕の町をうろつこう
列車からバスからプジャを見たインド
夜の海最後の沐浴足浸かる
鐘鳴らし客を呼び込むアイス屋さん
海を見るのも一人
明日はまた東の海を見に行こう
今夜はプジャの花枕の下に
山口で星見たろうかと考える
朝起きて閉じ込められて助け呼ぶ
車窓から壊れた寺と青い鳥
0124 何気なく無料の飯の列並び
10ヵ所と言っときながら4ヵ所じゃん
牛を食っちゃいけない理由はこれもある?
葉っぱの皿で初めて食った昼御飯
兄さんにマッチを摩ってもらった日
ソーラーと風力見つけた水曜日
サンバグワーン朝日に向かい祈る人々
ラーメシュワラム
0125 観光でプールに連れてくインド人
観光でプールに付いてく異邦人
何故か今日ガンジー行けずプール行く
久々の煙草乞いは黒グラサン
プールショー多分一人は中国人
プールでもみんなで騒ぐインド人
蚊に刺され犬と一緒に体掻く
空を見た今夜は月が欠けていた
今日はただただただ強烈だ
偶然にプジャを見れた喜び
マドゥライ
0126 旗を見て今日は記念日思い出す
今日とは思わず御輿が見れずバスのなか
ガンジーネルーあと一人
朝の明日ドーサを食べよう宿の前
不意に夕 マハトマの言葉思い出し
0127最後の最後で自リキッ符
旗揚げたネルーの気持ちに思い馳せ
その時は神様からのプレゼント
どこででも道を聞ければ不安なし
行きつけのめし屋がある喜び
人に優しくされたとき自分の小ささを知りました
あと十日複雑な気持ちあと十日
ただ宿のカードがあれば十分だ
ジャンスィのラニバーイにまた会った
0128 誕生日自分で自分におめでとう
列車はいつも通りひま
いまさっき千二百キロの旅始まり
チェンナイ
0129 行く先さえ決まっていれば着けるのさ
成り行きで床で食事を食べた昼
見晴台思ったよりも見晴らせず
神様のいないお寺は前払い
米買ってプジャしないかと金請求
何故だろう寺に人魚の彫刻が
今日の古寺庭の花壇は進行中
二三時間六十ルピーで映画見る
ただ単に上裸は暑いだけなのか
昼のダル甘いがこれはこれであり
ブバネーシュワル
0130 砂浜の波際染める夕日かな
招かれて家に入ってジュース飲む
目的が分からずじっとテレビ見る
別れ際後味悪いが仕方なし
明日朝はおつりをもらいに砂浜へ
バーテンダー海と毒薬火花ある
0131 砂浜で自意識なしの心地よさ
日本人宿でかえって孤独感
俺の旅何故こうなったトルストイ
えさやって犬に囲まれうろたえる
砂浜でツナとライスの豪華ランチ
リキシャーのおやじに日本語教えた日
夕飯に人と会話が出来た嬉しさ
0201 間違えて土足で寺入り怒られる
ビリーの不始末服に穴あき
火葬場で日本も火葬と説明し
まあいいかこの夕日もまた見せません
まだ明るしと離れがたき砂浜よ
帰りしなとても明るいプジャを見た
0202 満月を開いた列車の扉から
ヤシの木に追い付き追い越す丸い月
じゃあまたななんと優しい別れ際
プリー
0203 三月経ちまた同じ着メロを聞く
酒バレてヒヤヒヤするも大丈夫
帰る日が近づき早く帰りたくなる
来週の今日は日本にいるみたい
帰りたいだが帰りたくない帰りたい
0205 今はもう何も浮かばず唯休息
のどかさは貧しさなのかと考える
OKONOMIYAKI にスパイス加えるインド人
屋上で飛行機を見た寒い夜
思い出は制限なくて便利だな
際限なく思い出しては苦笑い
ブッタガヤ
0207
人力車おやじがとことこ歩いてる
まわり見て靴変えようか検討中
“五千円”のフェニは結局ノットエラウ
なんだかんだ無事飛行機の中
コルカタ
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