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月次パフォーマンスの計算について

はじめに

みなさんは、月次のパフォーマンス計算していますか?
投資スタイルによると思いますが、自分の投資がベンチマークに対して良かったのか?劣後しているのか?判断するためにも正しく計算しておくと、
振り返る時に役立ちます。

何が難しいのか?

証券会社やWEBサービスに登録しておくと、簡単に毎月のパフォーマンスを見ることができます。それで済ませている人も多いと思います。
積み立て投資だけやっている人はそれでも十分とは思いますが、どのように計算されているか?計算過程を示しているサービスは少ないのではないでしょうか?
具体的に言うと、為替の計算はいつ時点の数値が採用されているか?途中の売買や出金・入金の取り扱いはどうなっているか?円建て計算なのか?ドル建て計算を、あるタイミングで円に換算しているのか?によって結果が大きく変わってくるからです。

Investing.comの月間損益。手軽なのはいいのですが計算式が分かりません


具体例

2024年1月の例です。
S&P500は年初4770→月末4849に上げ、+1.7%でした
為替は年初146.8円→月末140.8円と4.3%の円高でした。

S&P500をベンチマークとしているとして、自分の月次パフォーマンスが+4%だったとすると、すごくいい結果であったように思えます。
しかし、自分のパフォーマンスが円建てで計算されているのであれば、為替変動も考慮する必要があります。
円建てのS&P500のパフォーマンスは 1.017x1.043=1.060 つまり+6%となり、+4%はベンチマークに劣後していることとなり、反省点を探る余地が大きいことがわかります。

大事なのは要因を分解できるようにすること

パフォーマンスは結果なので、その要因を分解可能な状態にして、何が良かった?何が問題だったか?を振り返りできる状況にしないと、正しく改善できないってことです。
どの銘柄が良くて、どれが足を引っ張ったのか?取引回数が多すぎて手数料が大きくなっている場合もあるし、為替影響で減っているだけで、投資手法には問題ないこともあります。正しく見定めるための情報は、正しくないと意味がないですよね。

月次パフォーマンスの計算方法

月次パフォーマンスの計算では以下のいずれかを使うのが、以下のいずれかを使うのが効率がよさそうです。

  1. 修正ディーツ法

  2. 単純ディーツ法

より詳しい説明は以下のサイトを参照してください。ここでは計算方法とメリットデメリットなどを記載します。

  1. 修正ディーツ法

    1. メリット:
      ①比較的精度が高くパフォーマンスの計算できる。
      ②計算方法があまり難しくない

    2. デメリット:
      ①入出金した日と額をすべて記録しておく必要がある→入出金の回数が多いと少し面倒
      ②入出金の額と日の月割計算をするとき、Excelの固定フォーマット化しづらい

    3. 計算方法:
      先ほどのサイトの画像がわかりやすいのでそちらを参照してください。

http://valavg.com/wp-content/uploads/2014/11/20141108-return-calc-modified-dietz-method.png

2.単純ディーツ法
1.メリット:
  ①計算方法が簡単。入出金が多くても、合計額だけ分かればよい。
  ②精度はそこそこ悪くない
  ③Excelの固定フォームの作成が簡単
 2.デメリット:
  ①精度が悪いケースがある。例えば、月初に入金、すぐに買って大きく
   利益が出たケースなどでは、修正ディーツ法より精度が悪くなる。
 3.計算方法
   http://valavg.com/wp-content/uploads/2014/11/20141108-return-calc-simple-dietz-method.png

3.両者の比較
手軽さと精度、どちらを取るか?という話になります。
私個人としては、手軽さ優先で、確実に計算するため単純ディーツ法を導入しました。
単純ディーツ法なら月次じゃなくても週次の計算も楽です。また入出金があまりなければ、結果は同じになるし、初めて導入する場合は必要十分なように思います。


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