#24 夢追い虫
今回は2001年10月11日に発売されたスピッツの24thシングル『夢追い虫』を見ていきたいと思います。
タイトルからもわかる通り、最高にロックでかっこいい曲です。
イントロの力強いメロディ、そこから頭に浮かぶ壮大な世界観、あれだけでご飯何杯でもいけます。
この曲のテーマを個人的に考えた結果、一番しっくりくるのが「結婚」でした。
1番の歌詞なんかはまさにそんな感じじゃないですか?
美人じゃない 魔法もない
バカな君が好きさ
途中から 変わっても
すべて許してやろう
ってところが僕は特に好きで。
ガキンチョがカッコつけて言っている感じではなくて、長年築き上げてきた関係だからこそ普通にこんなことが言えちゃう、っていう感じ。
しびれます。
一方、2番で歌っていることはド変態なことです。
というか、意外と”エロ”ってダイレクトには言いませんよね。
ま、それはともかく、この後に続く”ユメ”というのは重要な意味を持つフレーズだと思います。
なぜカタカナ?
実はスピッツの曲の中で、漢字で書けばいいものをわざわざカタカナで書いているとき、そこには本来の意味とは異なる意味合いが含まれているのだという定説があるのです。
ですからここで言うと、”夢”じゃなくて”ユメ”だということには別の意味がある、と。
やはりここのキーワードは”エロ”じゃないかと思います。
具体的に言うと、営みの中で”君”と語り合った”ユメ”です。
ま、さらに言っておくと、最後のサビの
削れて減りながら進む あくまでも
というフレーズも、”削れて減る”というのもどこか性的なイメージを伴うというか…
で、その”ユメ”で見た場所に進んでいく。
2人で見ていたのはどんな”ユメ”かは知りませんが、幸せな”ユメ”であることに間違いはないでしょう。
そしてこの曲のハイライト的場面。
命短き ちっぽけな虫です
思いませんか?
なぜ”虫”なんだ?”人”じゃないんだ?
これには冒頭の”羽も生える”というフレーズも関係していると思いますが、結局”僕”は大したことない、それこそちっぽけな存在なのです。
ちっぽけな存在なりに”君”を愛し、”君”と”ユメ”を見ながら、目指した場所へと羽ばたいていく。
その愚直さと儚さを”虫”に喩え、そしてそんな生き様の自分を”夢追い虫”と名付けた、と。
これが、”虫”にしてはカッコよすぎるこの曲の世界観だと思っています。
おまけでもう1つ。
この曲のアウトロで変な音声が流れますが、あれ実はAメロの逆再生らしいです。
そこで僕が思い出したのが「逆再生の意味」。
スピッツと同じく僕が好きな乃木坂46の曲で『アナスターシャ』という楽曲があります。
MVだけでの演出ですが、この曲の冒頭でもアウトロ部分の逆再生が流れます。
いろんな人がいろんな考察を重ねた中で僕がほほうと思ったのが、「時間を始まりの地点に戻しているのでは」という意見。
なるほど~。
となると、『夢追い虫』の逆再生にも、何かを巻き戻すという意味合いが込められているのかもしれないですね。
Aメロの逆再生ということは、”当たり前の生活”が始まった地点への回帰、とか?
MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。
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