#6 裸のままで
今回は1993年7月25日に発売されたスピッツの6thシングル『裸のままで』を見ていきたいと思います。
この曲はヒットを狙って作られ、草野さんも「これはミリオン」と思ったほどの自信作だったみたいですが…
まぁ知らない人の方が多いでしょうね。
僕もスピッツのファンになるまで知らなかったですし。
とはいえ、賑やかなホーンの音が印象的なイントロで幕を開けたり、いつも一筋縄ではいかない歌詞を書いている草野さんが“愛してる”というワードを初めて使ってみたりと、これまでとは少し違った曲作りがされているのは事実です。
ただ…
MVがダサい~。笑
本当に今だから「ダサかっこいい」という言葉でうまくごまかせますが、こりゃシンプルにダサいですよ。笑
顔が描いてある太陽なんて今どきアルゼンチンの国旗でぐらいしか見ないですから。
ま、それはともかく、歌詞を見てみますと、この曲のキーワードは「2人」ってとこにあるんじゃないかと考えることができると思います。
特に1番のこの部分。
はがれはじめた嘘について レールの上で考えたのさ
小さなズレさえ許されない掟なのに めぐり会えたよ
はい、また出てきました、「掟」。
ただ、ここでの「掟」は『夏の魔物』のときと少し違って、運命的に決まっている、いわば「定め」のような使われ方をしていますね。
つまり、“君”と“僕”はそれぞれに敷かれたレールの上を歩いてきたはずなのに、“めぐり会えた”。
言い換えると、2人が出会うのは必然だったんだ…と、こういうことを思っているところだと読み取ることができそうです。
しかし、それだけだと「なのに」という部分の説明がつきませんね。
これは僕の考えなのですが、この「2人」というのはアダムとイヴのことじゃないかと思うんですね。
厳密に言うと、”僕”と”君”の関係をアダムとイヴに置き換えている感じでしょうか。
運命的に出会った2人というところも、こういう神話的な部分からの連想だと考えればうまくはまる気がしませんか?
『裸のままで』というタイトルも、そりゃ少しはエッチな意味合いもあるかもしれませんが、どちらかというとこういう考え方の方がしっくりくる気がします。
ただ、本物(?)のアダムとイヴは、神のお告げに逆らって禁断の果実を食べてしまったことによって「うわっ!裸!」ってなって、葉っぱかなんかで局部を隠すようになっちゃったんですよね。
実は2番にはこんな歌詞があります。
地下道に響く神の声を 麻酔銃片手に追いかけた
神をやっつけることによってそういう罰みたいなのが降りかかるのを防ごうとしている、そんな状況に見えますね。
ってことは、
「いいじゃないかよ!裸でいさせろよ!」
ってことですかね。
やっぱりエッチです。
ダサいMV、ぜひYouTubeで見てみてください。
サブスクでも聴けますのでぜひ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?