#27 水色の街

今回は2002年8月7日に発売されたスピッツの27thシングル『水色の街』を見ていきたいと思います。


前回紹介した『ハネモノ』と同時発売です。
なんだかんだ言って「陽」な『ハネモノ』とは対照的に、この『水色の街』は後々見ていくとわかるように、どこまでも「陰」です。

そんな「陰」の曲ですが、サビがかなり攻めています。

全部「ラララ…」のスキャット

なかなかないパターンの曲で、そういうところも踏まえて実はかなりクセのある曲なんです。



歌詞はというと、”僕”がプレゼントを持って”君”に会いに行く、というストーリーなのですが、これはもう明らかに「入水自殺」です。
これに関して異論はないでしょう。

逆にこの曲調と歌詞で明るいストーリーを描けって言う方が無理です。


具体的に言うとここのフレーズですね。

間違えたステップで
泥まみれの靴で


前者は「道を間違える(踏み外す)」という言葉の通り、通るべき道からそれていくイメージ。

後者は川に入っていくから靴が汚れている、という意味。

第一、この時代に歩くと靴が汚れるほどの距離を歩いては行きませんしね。
大好きな”君”へのプレゼントまで持っているのに。



あとはまぁ、すでに想像できているでしょうけれども、”僕”が渡っている川は「三途の川」ですよね。

そもそも、普通の言い方をするなら「橋を渡る」でしょう。
「川を渡る」でもギリ伝わりますけど。

だから”水色の街”というのも、”君”がいる街そのものというよりは、どちらかというと「現段階ではまだ水面に映っている=まだ”僕”は生きている」ことを表しているのでしょう。

一応ですが、「”君”がいる街」というのはこの世には存在しない街だろうというのは想像に難くないと思います。



そんな感じで今回はちょっと短めですが、いつも長くなりがちなのでたまにはこの分量で簡単に。

MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。


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