#16 夢じゃない

今回は1997年4月23日に発売されたスピッツの16thシングル『夢じゃない』を見ていきたいと思います。


早い話が「坂上忍、家を買う。」ですね。笑
坂上忍が家を吟味していた時期には、毎週のようにあのコーナーでこの曲がかかっていました。
なんでこの曲?とは思いましたけどね。笑

こちらもアルバム曲をシングルにリカットしたものですが、今までのケースとは違ってこれは少し古いアルバムから持ってきているんですね。
この曲が収録されているのは4thアルバム『Crispy!』、この曲の前後のシングル曲が収録されているのは8thアルバム『フェイクファー』です。



描かれているストーリー自体はシンプルで、ずっと自分のそばにいてくれる”君”にほのかな恋心を抱くようになった”僕”、といった構図でしょう。

それも、

暖かい場所を探し泳いでた 最後の離島で

とか、

同じリズムで揺れてたブランコで

といったシチュエーションから想像できるように、”僕”が苦しい状況に置かれている、あるいは日々同じことの繰り返しであるといったような、一言で言うとパッとしない日常の中で出会ったのが”君”、というところですかね。


で、そういう状況で出会った”君”に支えられてなんとか立ち直り、再び目標に向かって歩き出すことができた。

そして目標を達成して、登りつめた場所から眺める景色。

正面にあるその景色が霞んでしまうほど、その頃には”僕”の中で横にいる”君”の存在が大きくなっていたのです。


サビの、

いびつな力で 守りたい どこまでも

というフレーズも、一見どういうことなのかわかりづらいところではありますが、”僕”がたどってきた道のりがいびつだったことと重ね合わせているのでしょう。


自分はまっすぐな道を歩いてきた、まっすぐな人間ではない。

だから”君”のことも、自分なりの方法で守りたい。


まっすぐではない人間が、まっすぐな想いを言葉にした歌」だからこそ、一つ一つが綺麗なフレーズとして心に突き刺さるのかもしれないですよね。



そしてこの曲のもう1つの見所がMVです。

こんな書き方をするとほかの曲のMVはどーでもいいみたいなとられ方をされかねませんが、もちろんそんなことはないですよ。笑

珍しく全編アニメーションのレトロな香り漂うMVですが、これがまた切ないというかなんというか…


これはサブスクよりもMVと一緒に聴くことをおすすめします。ぜひ。


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