見出し画像

A COMMON BEAT "生きている"



ーーその瞬間、涙が落ちた。


「A COMMON BEAT」
年齢・職業・性別・国籍など、異なる様々なキャストを公募。
100人100日100通りの年齢職業が異なるキャスト同士で異文化理解をテーマにしたミュージカル。


その公演を鑑賞した経験を綴ります。
言葉にならない感動が、そこにあった。
※ミュージカルの内容も少し含まれるので閲覧注意ください。
ーー

「友人からミュージカル誘われたんだけど、来る?」
と、上司から。

ミュージカルかぁ〜普段の自分なら絶対行かないな。
よし!だから行く。

「行きます!!」

ーー

場所は「山王駅」
なんというか。まぁあまり東京のよくある駅といった風景。
それでも初めての駅はなんとなくワクワクする。

少し肌寒い空気が抜ける町を通り過ぎ、
さくらホールの自動ドアをくぐる。

あふれる人達。
スタッフの活気のある声。

なんだこの熱量は(゚ω゚)
何かが起こる予感がした。

開演までの間、
知人の元出演者に興味から様々なことを質問をした。

その中の答えの1つ。
「自分をさらけ出さないと作品は完成しない事に気づいたんだ」

たしかに、そうなのかもしれない。
けど同時に分からない自分がいた。なんとなくわかるけどわからない。
俗に言う「なるほど、わからん」ってやつ(違

そんな矢先に公演のブザーが鳴り響く。
舞台は暗転し静寂に包まれた。

そして、
突如スポットライトが輝き走った。
颯爽と観客席から演者が登場し、壮大な暗幕の前に凛として立つ。

そして、キャストが口を開く。
赤、緑、黄、青の言葉も文化も違う4大陸のお話。


その第一声の力強さと表情に、感動の鳥肌が走った。
新たな出会いがする予感がした。

幕が開く。

最初のミュージカル。

その瞬間、




ーー涙が落ちた。





舞台にいた全員が、主役だった。
赤、緑、黄、青のキャスト全員が、前も後ろも関係なく主役だった。
力強く、大きく表現し、声が、表情が、その全てが


”生きている”


という全身全霊の魂の叫びだった。
もう”世界平和”というスケールに近いものを表現している気がした。


身に纏う衣装や言葉も文化も違うことに、大陸の皆は初め興味をもつ。
でもそんな簡単なものではない。

権力者の立場からすれば、

わからないもの=「恐怖」そのものだ。


歩み寄りできたらどんなに素晴らしいかわかっていても、
自分の後ろには何千と何万という仲間や大切な家族がいたらどうだろう。

不安が覆い尽くし、自身を守ろうとするんじゃないだろうか。
気がついけば「正義」の名の下に力を振るうかもしれない。

そうやって争いが生まれるのを感じた瞬間だった。



でも、終わりじゃない。

沢山の犠牲があり、これが本当に必要だったことなのか、善悪すらハッキリしない。
そんな状況だったとしても


「今から、始めよう」


過去にしたことが仮に過ちだったとしても、
その人達がいたからこその今。新しく続いていく今の私たちから前に進む。

その決意とともに言葉を重ね、全身で大きく表現する姿に、


また、涙した。


凄い、凄すぎる。
なぜか。

それは、今見ている光景は演者の「経験」そのもの。


練習の時に、ハードな練習で焦りを感じたり、
心が折れそうになったり、

自分が周りに合わせているのを自分で気づいたり、
歩み寄りが受け取れなくて拒絶したり、仲間とぶつかったり傷ついたり、

そんな一つ一つを1人ひとりが仲間と共に乗り越えた経験があるからこそ
伝わったモノだ。


自分は自分でいい。
受け入れてもらえた。
私も誰かを受け入れる自分になりたい。
もっと心をさらけ出して歩み寄る自分を育むんだ。
そんな様々メッセージが1人ひとりから伝わる時間に包まれた。


過去から現在まで続く歴史の土台の上に立っている私たちは、
「どう生き、なにを伝えて、その先に残していくのか」


その問いかけを改めて授かった気がした。
貴方は、その問いかけに何を答えますか。

僕はまだ道半ばで決まっていないことも多い。
失敗も沢山ある。


けど、それでも前を向く。


今の自分が伝えたいことを精一杯に伝える。
共感があり嬉しくて自分の心の動きがわかることもある、
反対に否定されて「大切にしているモノ」の再確認ができる機会も増える。


その連続の先に、
無駄なものが削ぎ落ちて研磨されたもの。





ーーそれが、軸だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?