監査結果公表後のColabo弁護団の声明の適正性について

1月6日

Colaboの件、東京都の住民監査請求結果が出て数日が経つが、Colabo側の声明が正しくないように思われるので、端的に考えを述べる。

1、そもそも、住民監査とは

  • 以下の通り、『都民の方からの監査請求により、都の財政面の適正な運営を確保し、都民全体の利益を守る』ことを目的として行われるもので、『都の財務会計上の行為』が対象となる。

  • 都の財務会計、要するに当該委託事業における『違法又は不当な公金の支出』の疑惑と関係がないことに触れることはなく、監査で問題視されていない部分に問題がないわけではない。

2、監査結果本文の解釈

① 「請求人の主張は妥当ではない」とされた項目について

  • 付言すると、各項目は「表3」が正しいという前提で事業への支出が確認できているという説明がなされているが、そもそも以下の通り「表3」の適正性が疑問視されているので、結論は『本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとする』ようにとの勧告に基づく再調査の結果次第であり、現時点では「評価できない」というのが監査委員のスタンスではないかと思われる。

② 「表3」について

  • 「表3」はColaboの本事業実施に係る収支に関する帳簿、領収書その他の諸記録を調査して判明した、本事業の実施に必要な経費としてColaboが台帳に記録した経費の一覧表を指す。

  • また監査ではこの「表3」を適正なものとしては見ておらず、むしろ懐疑的に見ていると考えるのが妥当だと思われる。
    (そうでなくては、監査結果結果本文のP.22以降の厳しい指摘に繋がらない)

  • よってインターネット上で散見される『「表3」で支出が確認されているので不正はない』という論法による擁護は誤りだと思われる。

③  結論の見方

  • 「事業全体を再検証するように」という勧告がなされているため、「全体として適当ではない可能性が高い」(黒に近い灰色)との見方が示されているとの認識が自然だろう。

  • 一方で「不正が否定された」事項は現段階では何もないが、逆に不正が明確に認定された事項も未だない。

  • 福祉保健局による再検査の結果を待つべきであり、擁護する側も追及する側も少し落ち着かれた方がいいと思う。

以上

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