一人暮らし。7(おしまい)

個人的な目的は達成し、今一度「一人暮らし」という体験について振り返る。

初日に買い物をして数日分のご飯を用意したが、今回借りたウィークリーマンションには包丁が無く、人参を丸齧りするという野生溢れる事をした。
思い描いていた料理は出来ないと判断し、なるべく簡単に食べられる物を作ろうと思った。
味付けをどうしようと悩み、一本ありゃ済むだろうと焼肉のタレを買った。
辛い。甘口でこんなに辛かったっけ。
5袋セットで入ってるうどんは余りそうになったため、一緒に買った納豆と混ぜて食べた。
予想以上に美味かったが人には到底見せられない物が生まれた、生卵も混ぜたのでなかなかに凄い物になった。

久しぶりに感じた事が幾つかある。
まず時計の音がキツい、そういえばそうだったと思い出し、なるべく音が聞こえない場所に置いた。
食器を洗う時・置く時の音がキツい、洗い物ができなくなったのはこれだったなぁと思い出した。
水滴の音がキツい、すぐ横を通る車の音よりも気になる。
マンションに着いて数日後、近くで工事の音を聞いてから耳鳴りが酷くなったのもあり今回の代償かなぁと思った。

実家に居る時と同じように動画を流しながら絵を描き、気が付けば夕方になっていた。
何処に居てもやる事は変わらない、やりたい事が変わらないからだ。
ツイッターでの付き合い方を変えたくらいか、簡素に伝えるという事を少し意識している。
帰ったらやろうと思ってそのままにしていたPCの初期化をして、PCを使った作業などもしたい所だ。
やれたらいいな、と思っていた運動は出来なかったが、寝る前に暴食する事がないので腹の張りは少し落ち着いた。
寝る前に食べたくなったら木綿豆腐を食べるのが良さそうだ、家には誘惑が多いので頑張らないといけないが。

身支度を終え、あとは病院から帰って来た時にまとめて持って行く。
駅からマンションまでの道はやっと慣れた、数回しか通ってないがここも良い景色に見えてきた。
ガヤガヤしていて、いつも人や音が聴こえる、私には向かなかったがこういう刺激もたまには受けると面白いだろう。
病院の予約時間まで暇を潰していた所、たまたま同じ日に予約を入れていた姉が連絡してきた。
一緒に帰る事になり、荷物の多さに途方に暮れていた私は内心ホッとした。

姉と話しながら思う、やはり人の違いは面白い、私と姉は考え方が全く違うので浮かびもしない考えが出てくる。
私が幾ら考えても出てこない考えが姉にはある、それを聞けるのはお得だな、と感じた。
違うからこそ疲れる時もある、それでも私が求める刺激というのはこういう物な気がした。
色んな刺激を受け、それを出し、自分らしく生きていくのが良いのだろう。
文字にするのは簡単だ、実行するのは難しい、そういうものだ。
今の気持ちのまま過ごせたら一番理想的であるが、気持ちも体調も管理しないとすぐに崩れる。
だから病院があるんだろう、通院してる所が多すぎて私は病院が無かったらもっと大変な人生だったろうな。

帰りの電車の中、まだ先だが自宅が待っている。
一人暮らしの感想よりも自分の話ばかりになったが、良い経験だった、感じた事を記録を残せたのも、実際に見て思った事も。
明日からの日常は過去の日常と変わる、私を作り上げる一部になっていくだろうか。

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