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げに麗しき乙女の髪の香

むかし、好んでつける香水があった時期の話。
後輩に、この匂いが好きでずっと香水つけてるんだ、という話をしたら「でも先輩、めっちゃパン〇ーンの匂いしかしませんよ?」と言われてずっこけたことがある。

どんだけ匂い強いんだよパ〇テーン的なネタとして、結構あちこちで笑い話として使っている。

が、今日すれ違った人からパンテ〇ンの匂いがして今更ながらに気が付いた。すれ違うと言ってもうら若き女性の黒髪が我の身をかすめるというニアミスでもなく天下の歩道で2メートル以内でエンカウントしたくらい状況だ。だがしかし、確かにめっちゃパン〇ーンの匂いしかしないわ、あの人wそりゃ1万円しないくらいの香水じゃ太刀打ちできないよね、と十数年越しの納得をした。

そういえば以前は、クラスメイトの誰がどのシャンプー使っていてどういう匂いがして、というのはちょっとしたアイコンというか個人を形作るサブステータスだったように思う。目がくりっとしていて、色がちょっと黒くて、手首が細くて、きゅっと結んだ長い髪からはあのシャンプーの匂い、というような。

ぱたぱたと廊下を走り抜ける制服の後ろ姿とかすかに残るフローラルな香り、ほらほら、胸の奥がちょっとだけくすぐられるような記憶がある御仁もいらっしゃることでしょうよ。え、ない?いやいやそんなこと言わずに。

今日乗ったエレベーターで鼻先をくすぐった残り香は、どこかで嗅いだような柔軟剤の匂い。

もしかして、この匂いもどこかの誰かの胸の奥をちょっとだけくすぐるような切欠になっているのかもしれないけど、わたしにはなんとなく興醒めな匂いに感じた。

結論:匂いの強い柔軟剤はそろそろこうなんとか大人しくなってもらえんだろうか。

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