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もしわたしのことばが


もし僕らのことばがウィスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。

村上春樹 著『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』より


もう、ほんとに、なんなんだろうな、と思う。

言葉をどれだけ重ねても、違う場所にどんどん流されていってしまう。言葉が流されているのか、自分のこころが流されているかもすら、未だにわからない。

あまりに言葉がおぼつかないので、自分の頭の中やこころの中にあるものを、ぽん、と気軽に取り出して見せられたらいいのにと思うほどだ。気軽に脳みそとか心臓とか見せられても困るだろうけども。

それでも自分の思うことを、なんとかたぐりよせてはよりあわせ、不格好なこよりのようなものを繋いでいくのは止められない。だって、そうでもしないと、わたしたちは近づけはしない。たとえ、その言葉がわたしたちが離れていく原因になったとしても。

そんな、たよりない言葉を、今日もこねくりまわしています。

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