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WEB Re-ClaM 第54回:クラシックミステリ原書刊行状況(2022/12-2023/1)

新連載を用意しているうちに、元の連載を更新するのをすっかり後回しにしてしまっておりました(12月の本が少なくてやる気が出なかったのもあり……)。一挙二か月分更新しておきます。

2022年12月分:

Mary Roberts Rinehart / The Album (1933, American Mystery Classics)

★Mary Fitt / Three Sisters Flew Home (1936, Moonstone Press)

The Album はラインハートの未紹介作品。代表作の一つということなので、そのうち論創辺りからヒョコっと出てもおかしくはないと思う。メアリー・フィットは紹介が続くが、まだ読んでいないので何とも言えない。

2023/1

Stuart Palmer / The Penguin Pool Murder (1931, American Mystery Classics)

★Richard Keverne / William Cook - Antique Dealer (1928, Black Heath Classic Crime)

★E. C. R. Lorac / Death of an Author (1935, British Library Crime Classics)

★Gelett Burgess / The Master of Mysteries (1912, Library of Congress Crime Classics)

スチュアート・パルマーは、新樹社から「エラリー・クイーンのライヴァルたち」の第一巻として出た『ペンギンは知っていた』の原書。この作家はもっと紹介されてしかるべきだが、アメリカのユーモアミステリと日本のミステリマニアが求めるものが上手く噛み合っていない感は根強い。いわゆるコージー要素は薄いけど、そういう軽いユーモアの本を求める女性読者を受け皿とすれば意外と受け入れられるんじゃないかな。
リチャード・ケヴァーンは、イギリスのスリラー作家。ツイッターにも書いたが、以前森英俊さんから山のようにもらったペンギンのペーパーバックの山に数冊入っていてそのうち読もうかなと思っていたので、やや機先を制された気持ち。The Sanfield Scandal (1929) や The Fleet Hall Inheritance (1931) という本も同時に出ていて、試してみてもよさそう。
E・C・R・ロラックは、初期のスーパーレア作でついに待ち望まれていたものが出たという感じ。極めて珍しい非マクドナルド物で諸氏の評価も高い作品だが、さてどうか。
ジェレット・バージェスは、ヒラヤマ探偵文庫で刊行された『不思議の達人』の原書。

次月はもう少し早くアップするようにしたいです。どぞよろしく。

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