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WEB Re-ClaM 第20回:クラシックミステリ原書刊行状況(2020/4-5)

暇はたくさんあったはずなのですが、時間というのはうかうか流れてしまうもの。うっかり4月分を更新し忘れたまま、結局6月まで来てしまいました。痛恨ではありますが、2か月分一気に掲載します。
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★Margaret Newman / Murder to Music (Agora Books, 1959) 

アゴラブックスの"無冠のミステリ女王"シリーズ第二弾。マーガレット・ニューマンは本名義ではこれっきりですが、マーガレット・ポッター、アンヌ・ベタリッジなど様々な名義で50以上の作品を発表している作家。日本では未紹介です。

★Carol Carnac / Crossed Skis: An Alpine Mystery (British Library Crime Classics, 1952)

キャロル・カーナックはご存じの通りE・C・R・ロラックの別名義。ブリティッシュ・ライブラリー・クライム・クラシックスではお馴染みの作家となりつつあるロラックですが、カーナック名義の作品は初収録です。

★Anna Katharine Green / That Affair Next Door (Library of Congress Crime Classics, 1897)

ブリティッシュ・ライブラリー・クライム・クラシックスの成功にあやかってか、アメリカの議会図書館も叢書「ライブラリー・オブ・コングレス・クライム・クラシックス」を立ち上げたことは既報の通り。その第一弾となったのは、「アメリカミステリの母」と名高いアンナ・キャサリン・グリーンの本作。アメリカにはペンズラーの叢書もありますが、エドガー賞を受賞した評論家、レスリー・K・クリンガーがどのような独自色を出してくれるか、期待が膨らみます。

★ed. Mark Hodder / Sexton Blake and the Great War (Rebellion)

世界初のシェアード・ワールド探偵シリーズ、セクストン・ブレイクものの)本格的な傑作選の第一弾がこちらです。本国では既に第四巻までの刊行が予定されているとか。編者のマーク・ホダーはWEB上で「BLAKIANA」(http://www.mark-hodder.com/blakiana/index.html)というセクストン・ブレイク研究サイトを運営する超マニア。果たしてどんな作品が飛び出すか。期待できそうです。

ここまでが4月分、以下が5月分となります。

★Mary Kelly / The Spoilt Kill: A Staffordshire Mystery (British Library Crime Classics, 1961)

絶好調ブリティッシュ・ライブラリー・クライム・クラシックスの新刊は、メアリイ・ケリー『盗まれた意匠』(ハヤカワ・ミステリ)として翻訳のある作品。CWAのゴールドダガー賞を受賞した作品なのですが、あまり有名ではないかな……でも編者のエドワーズが今一押ししている作家らしく、継続的に出していきたいとのことです。翻訳、読んでみましょうか。

★Frances Noyes Hart / Hide in the Dark (Mysterious Press, 1929) 

★Frances Noyes Hart / The Crooked Lane (Mysterious Press, 1934)

★Frances Noyes Hart / Contact: And Other Stories (Mysterious Press,1923)

先日ペンズラーの叢書でフランセス・ノイズ・ハート『ベラミ裁判』が復刻したことはお伝えした通りですが、彼女の作品が一気に復刻とは一体何があったのか。元々短編で評価された作家とのことですので、一番下の Contact が個人的には気になります。

ということで二か月分でした。前もって確認してあったのでそれほど手間は掛からなかったですが、きちんきちんと毎月やっていかなければ、と改めて感じました。以前予告した通り、短編の翻訳も近日掲載を目標に進めたいと思います。ではまた次回。

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