「こんにちは、仁一です。ごはん、食べた?」
ついつい余計な口を挟んでしまう自分。
それが良いのか悪いのか、いまだに分からない。
ある日、登山の帰り道――
..........
電車は、さまざまな人との出会いの場。
まだ2歳にならない小さな子と4歳くらいのお姉ちゃん、そしてパパの3人が優先席に座っていた。
そこに、横浜駅から乗り込んできたマダムが、一番小さな子が座っている席を譲れと言った。
パパさんは慌てて小さな子を抱き上げ、膝に乗せた。
その瞬間、子供は号泣。
眠かったのだろう。
ぐずり始め、泣き止む気配はない。
そんな中、マダムがさらに一言。
「ごめんね、席はひとりじめはダメなのよ!」
「ごめん」じゃないよね???
嫌味たっぷりの「ごめん」でしょう。(溜息)
ちびちゃんはますます泣き出す。
もう我慢出来なーい!
なんとかしてこのパパさんを助けなければ――ー
ザックの中には、金沢で買ってきた当地ハッピーターンが入っていた。
白エビ入りの特別なやつだ。
ハッピーターンを2本取り出し、お姉ちゃんに1本、そして泣いている小さな子にも1本渡そうとした。
「受け取らないだろうな」と思っていたが、「ハッピーターン、いる?」と小さな声で差し出してみた。
黒い帽子に黒い眼鏡をかけた「変なオバサン」に驚いたのか、子供はピタッと泣き止んだ。
そして、パパさんの胸にぐったりと寄り添い、そのまま眠り始めた。
寝た!ついに寝た!
パパさんもほっとした顔。
きっと、この突然現れた余計なことばかりするオバサンに驚いただろう。
「ごめんね。🥹」
........
はるか昔、私も2人の子供を連れて電車に乗っていた時のことを思い出した。
仁一ジュニア2号はまるで捕まった魚のように、あちこちに頭をぶつけていた。
壁に、床に、私の体に、あらゆる場所にあっちこっち。
抱っこ紐でしっかりと抱いて、頭を保護する。
あの子は、何かに抵抗しているかのように暴れ回っていた。
仕方なく、何度も途中で電車を降り、落ち着くまで待つことを繰り返した。
だからこそ、このパパさんの気持ちが痛いほどよく分かるのだ。
あのマダムの行動が間違っているわけではない……
もし運賃を支払っていたなら、マダムに堂々と反論できただろうか?
そんなことを考えながら、ハッピーターンを使って台湾風のおにぎりを作ることにした。
……
2024年4月、家族で台湾の嘉義・台南を訪れた。
映画『青春18×2 君へと続く』のロケ地巡りだけでなく、阿里山付近でハイキングも楽しんだ。
個人旅行者におすすめしたいのは:
楽々日帰り隙頂二延平歩道ハイキングコース!
07:30
嘉義駅付近の移動販売店で台湾おにぎりを購入
10:00
嘉義駅から阿里山線B線7322号の観光路線バスに乗る
11:30
鞍頂公車站で降りる
隙頂二延平歩道を軽くハイキング
13:00
山頂付近で台湾おにぎりランチ
14:00
茶畑や竹林を楽しみながら歩く
18:00
夕食は「龍舞雲海」で高山野菜を使った火鍋を堪能
嘉義では、朝早く移動販売店で台湾おにぎりを買った。
中身が分からないまま適当に注文した。デカいおにぎりが3つ出てきた。
台湾のバスは山道を高速で走り、満席のため、仁一は床に座りながらもスリル満点の旅だった。
隙頂の登山道は急な階段が続いたが、お姉さんたちはゆっくりと歩き、何とか登り切った。
こうして振り返ってみると、あの暴れん坊だった仁一ジュニア2号も、いつの間にか落ち着いてきたんだなぁ。
2人とも文句を言わず、一歩一歩登ってくれた。
30度を超える気温の中でのハイキングは汗だくになったが、休憩地点で食べたおにぎりは最高に美味しかった。
その味を再現してみた。
……
台湾風飯糰(台湾おにぎり)
もち米を使った台湾の人気朝食で、さまざまな具材を包み込むのが特徴です。
材料:
〈ご飯〉
- もち米:150g(吸水させておく)
- うるち米:50g
- 古代米:1大さじ
- 水:200cc
- 塩:小さじ1/2(米に混ぜる)
〈具材〉
- ハッピーターン:2本(油條の代わりに使用)
- 肉鬆(豚肉デンブ・豚肉フロス):適量
- いぶりがっこ:適量(みじん切り)
- 韓国味付け海苔
作り方:
1. 吸水させたもち米、うるち米、古代米を炊飯器や土鍋で炊く。炊き上がったら塩を混ぜる。
2. 炊き上がったもち米をラップの上に平らに広げ、中央に韓国味付け海苔、肉鬆、いぶりがっこ、ハッピーターンを順番に乗せる。
3. 具材を包み込むようにご飯で丸め、ラップでしっかりと包んで形を整える。少し押し固めると形が崩れにくくなる。