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折々のチェスのレシピ(333)キャスリング考

キングが狙われると焦ってしまうのが人の心理ではあります。

白は駒得してはいるものの、ルークが自陣に侵入し、dファイルからはポーンが迫っていることに加え、キャスリングをしていないことから、クイーンの効き筋に入ってしまった局面です。多くの人はここで焦ります。

しかし、焦ってキャスリングをすると形勢が互角に戻ってしまいます。白はここまでキャスリングをしない代わりに攻め手を進めて有利に対局を進めてきました。キャスリングを保留するということは、キングも自ら戦力として一兵卒的な働きが要求される場合が増えてきます。

上の局面は、a6にクイーンがおり、それがe2のマスに効いているため、キャスリングを急ぐ必要はありません。むしろもっと守りを堅めながら、目障りな駒を捌くことが可能です。

このようにすれば、ひとつポーンを捌いて、なおかつe2の地点に駒の効きを足すことができます。また、このナイトは黒のルーク取りに当たっているため、黒はどこかにルークを逃すでしょう。そこでキャスリングをすれば、

少なくとも白は負けを考えずにこの先指していくことができるでしょう(形勢は白が優勢です)。


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