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折々のチェスのレシピ(163)受けの極意#3
前回、前々回で見たように、一手間違うと形勢が逆転することが、とりわけ終盤ではよく起こり得ます。今回もそんな例です。よって、先後どちらから見てもいいのですが、手順があるほうの白の視点から見てみます。
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白はまず(というか絶対に)勝ち目のない局面に追い込まれています。しかし、黒のaファイルのルークとナイトが戦力となっていないため、ワンチャンスないわけではないものの、ここでクイーンを交換してしまっては万事休すです。そのようなわけで、ここで決まらなかったら投了するつもりで勝負手を放ちます。
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もしこのルークを黒が取ってきたら、
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黒のクイーンがタダです。
第2図で、黒はチェックが掛かっているわけではないので、このルークは一旦放置しておけばいいのですが、取られたら取り返さなくてはと思うのが人の心理なのか、こうした例では多くの場合、取り返してきます。そうした心理をうまくついた勝負手だといえます。
黒は、受けなくてもいい局面で受けてしまいました。手抜きも重要な受けのテクニックだと憶えておいてください。
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