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折々のチェスのレシピ(242)

白のこの手はこれといって特になんということもないような手に見えます。

第1図

ところがこの手は大悪手です。黒からしたら大きなチャンスが巡ってきました。黒からの逆転術をひねり出してみてください。

ナイトを切ってしまいます。白はクイーン取りに当たっているので、

ポーンで取ってくるでしょう。

そのポーンをクイーンで取ればチェックがかかります。

白のキングが逃げたところでビショップを取ります。

クイーンを交換したらこの形になります。まだ黒が勝勢とまでは言えませんが、黒のほうが勝ちやす形と駒数になっています。今回の例にした手順は白がその時々に最善の手を指したと仮定してのものです。途中、これ以外の手を白が指すとさらに黒が優位になります。

最初に駒(ナイト)を捨てるので思いつきにくい手筋かもしれませんが、直線的に読めば最後の局面になるのでそんなに複雑ではないと思います。

第1図で白は安易にクイーンを移動させてしまっています。次の手で相手の駒(この場合はナイト)が効くマスに動かしているわけなので、その前に細心の読みが必要ですが、ポーンがいるために安心して、おそらく一秒も今回の手筋を読んでいないと思います。


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