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折々のチェスのレシピ(243)

黒の手が進んでいないのでまだ序盤に見えますが、13手進んだ局面が以下です。

黒の手が進んでいないのは、クイーンとビショップと少しのポーンしか動かしていないからです。これはまずい攻めの例としてこれまでも取り上げてきました。今回は少し進んで、上の局面から勝ち切ってしまうまでを考えます。実は次の白の一手でほぼ勝利が決定的になります。

第2図

次に白からBxf7とされた時、黒にはもうなす術がありません。よってここでQe7などと受けなければいけませんが、

欲に目が眩んでルークを取ってしまったとします、すると一例ですが次のような展開が考えられます(初手から途中まで)。

たとえ第2図でQe7と受けたとしても白の勝勢は変わりありません。

無謀にクイーンを早繰りしてきた相手にはそのクイーンをいじめる形で手を作っていく。キャスリングしていない序盤の黒の弱点であるf7の地点をサクリファイスして攻める。この二つの考え方はすでに個別にですが「チェスのレシピ」や「新・チェスのレシピ」でご紹介しています。それらを組み合わせるだけで、早い段階からメイトまで見えてしまうという例でした。


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