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折々のチェスのレシピ(169)受けの極意#9

今回は両者ほぼ互角の形勢のまま中盤まで進んだ例です。

第1図

白はひとまず黒のこの手を受けないといけません。なぜなら、このままの形でBxf3とされた時、ポーンで取り返すしかありませんが、それだとキングの頭が開いてしまい、守りが弱くなるからです。ここでの受けは何通りかあります。1)ビショップをe2に戻す、2)クイーンをe2かe3に移動させる、3)ナイトを逃げる、のいずれかになります。

1)の選択肢の場合、Bxf3の時にビショップで取り返しますが、せっかくいい位置にいたビショップをf3に動かすことになり、白としてはかなり損をしています。

2)の選択肢の場合、Bxf3の時にクイーンで取り返しますが、黒から次にNe5の手があり、白としてはあまりいい形にはなりません。

3)そこで残るのがこの選択肢です。

この後、

h3とすれば、黒はビショップを引かざるを得ず、当面戻ってくることもできません。さらに白はいざという時のキングの逃げ場所(h2)も確保したことになり、相当守りが堅くなりました。

第1図の時に黒のビショップを放置して他に有力な攻め筋があればそれを優先しますが、ここでは有力な手筋がありません。こういう時は相手の手を逆用して守りを固めてしまえば一挙両得です。

さて、ここまで手が進むと第1図で白のクイーンがd2にいる意味がはっきりすると思います。そうです。黒のビショップの効き筋からあらかじめ外れているのです。また、以前この「折々のレシピ」でご紹介したフィアンケット潰しもチャンスがあれば仕掛けていくことが可能です。

ということで本譜の手順を下に置いて置きます(途中まで)。白は教科書的な指し回しをしています。


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