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折々のチェスのレシピ(368)少しだけ高度な知識をあなたに

前回までは序盤におけるビショップの動かし方によって有利不利が生じる展開を検討しました。今回はビショップに代えてナイトについて考えてみます。

第1図

この局面を作ってくる白は実に多いです。ということは、黒はこの形の対応策を事前に知っておけば有利な展開に持ち込むことができます。

ここで黒は白に対してナイトをどうしますかと打診します。なぜかというと、白がナイトを逃す最善の位置がひとつしかないからです。まず、

ナイトを交換してくる進行が考えられます。これに対しては、

bファイルのポーンでナイト交換に応じれば、上のような局面になる可能性が高く、これは白がナイトを交換した後に最善手を指し続けた局面ですが、dファイルのポーンを余していることもあって黒のほうがやや指しやすい進行です。

次に、

白がナイトを元の位置に戻した場合です。これは、

上のような局面になる展開が有力で、これもやや黒が指しやすい進行です。

残るは、Nb3かNb5ですが、Nb3では自陣の駒の展開を阻害することになり、悪手とまではいえないものの、その後の指し回しを自ら窮屈にする可能性が高いです。ということで、

Nb5が白にとっては最も有力です。そこで、黒としてはこの後の応手を事前に知っておきたいところです。

まずは、d6ときっちり受けないといけません。これ以外の手だと瑕であるd6の地点を狙われてしまいます。その後、

こうした局面になりやすく、黒からは次にb5を見せています。どの展開であっても、今回の手筋であれば黒がまずまず指せる形に持ち込むことが可能です。

ということは、第1図までに白は失敗しているのでしょうか。そのとおりです。白が有利な手筋については次回に。


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