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折々のチェスのレシピ(96)
今回ご紹介するのは、必ずしも黒にとって最善手ではありませんが、相手の駒組み次第では使っても面白い手筋です。
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白がキングサイドへのキャスリングを整えた時、白のナイト(f3)を捌いてしまおうという手です。なぜなら、何度か解説をしていることですが、キングサイドにキャスリングした場合、f3のナイトは守備駒として働くからです。それを事前に取ってしまおうということです。
もしこの段階で白が同ナイトとしてくれば、同ポーンで手番が回ってきます。別の手を指してきた時には、例えば、
![](https://assets.st-note.com/img/1688556366102-l3wRHF20h3.png?width=800)
別の手を指してきたとしても、
![](https://assets.st-note.com/img/1688556397834-8JLbOcIa2X.png?width=800)
初志貫徹でナイトを交換してしまいます(ちなみに、白はポーンで黒のナイトを取るとだいぶ形勢を損ねます)。
こうなるとキングサイドにキャスリングしてしまうと守りが弱くなることを知っているプレイヤーほど、キャスリングする時にはクイーンサイドを選びます。実際、この対局でもそうでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1688556754318-uVFGgwHdcz.png?width=800)
この局面でやや黒が形勢有利なだけですが、不安定な位置にいる白のキングはおそらく、どこかの局面でb1と逃げることを強いられることになるはずなので、その一手が黒にもたらされることになります。
その時に黒にこれといった手があれば、黒が勝ちに近づくはずです。
(注)第2図以降、白が最善手を指し続けると黒は苦しくなります。ただ、最善手を指し続けられるプレイヤーは数百人に一人ぐらいだと思われます。その確率をあてにしていますので、その点はお含みおきください。
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