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折々のチェスのレシピ(113)

下は黒が投了した局面です。投了も止む無しですが、白が勝ち切るにはまだ手数がかかります。

白にはいくつもの選択肢があります。ここで手を間違うと、負けることはおそらくないですが、それなりに粘られてしまいます。ということで、もしゲームが続いていたとしたらきっちり決めたいところです。

白は次にチェックをかけることが可能です。

ただし、

ナイトで合い駒をされるだけでなく、動けなかったh8のルークが動けるようになってしまいます。この次にチェックをかけることができず、これはかなり悪い手です。

横にいるビショップを取ることも可能です。しかしこれも、先ほどと同じように黒は使っていないナイトをe7に動かしてくるでしょう。

では、

ルークを取るのはどうでしょうか。これならば黒はナイトを動かすことができず、従ってh8のルークも相変わらず死んだままです。

また、

黒のクイーンを虐める手もあるかもしれません。しかし、先ほどと同じように黒は使っていないナイトをe7に動かして、クイーンに当て返してくるはずです。

ということで、この局面においては、a8のルークを取って相手の戦力を大幅に低下させつつ、ナイトとルークを釘付けにしておくのが最善手だとわかります。相手が投了しなかった場合、ここで最善手を指しておかないと、駒を動かすとわかると思いますが、メイトするまで結構面倒です。


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