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折々のチェスのレシピ(192)
今回もまた、10手ほどしか指していない局面です。
![](https://assets.st-note.com/img/1697542970908-TKRGioF5bv.png?width=800)
黒は白がキャスリングしたのを見て自分もキャスリングしました。しかし、これはかなり悪い手です。キャスリングをしてキングを安全にしたように見えて、実は危なくしています。
というのは、
![](https://assets.st-note.com/img/1697543066191-uNGXKw53Lj.png?width=800)
白から次にこの手があるからです。クイーン&ビショップ取りなのでそれを防ぐところに黒はクイーンを引きますが、
![](https://assets.st-note.com/img/1697543168196-1Z00w145Qd.png?width=800)
守りのナイトを取られてしまいます。これをポーンで取り返しても黒はまず守り切ることが難しいです。なぜなら、白のビショップが2枚とも黒のキング周辺を狙える位置にいるので。
これを避けるには、第1図でキャスリングをするのではなく、
![](https://assets.st-note.com/img/1697543399345-lU0C7ZL1EK.png?width=800)
ビショップを引いておくべきでした。こうしておけば、白からNe4の手が無くなります。仮にそうしてきても怖くはありませんでした。
前回、今回と初手から10手目ほどでどちらかがリスクを負った局面をご紹介しましたが、これは恣意的に選んだわけではなく、序盤の駒組みをどこかで間違うと、おおよそどんな戦型であっても、10手目ほどでまずい局面になるからです。ここでそのリスクに気がつけば、まだやり直しが効くことが多いですが、気づかないとずるずると負けてしまうことになります。
対局の初手から10手目ほどは、一度時間を使ってでも検討し直すいい機会です。
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