見出し画像

折々のチェスのレシピ(192)

今回もまた、10手ほどしか指していない局面です。

第1図

黒は白がキャスリングしたのを見て自分もキャスリングしました。しかし、これはかなり悪い手です。キャスリングをしてキングを安全にしたように見えて、実は危なくしています。

というのは、

白から次にこの手があるからです。クイーン&ビショップ取りなのでそれを防ぐところに黒はクイーンを引きますが、

守りのナイトを取られてしまいます。これをポーンで取り返しても黒はまず守り切ることが難しいです。なぜなら、白のビショップが2枚とも黒のキング周辺を狙える位置にいるので。

これを避けるには、第1図でキャスリングをするのではなく、

ビショップを引いておくべきでした。こうしておけば、白からNe4の手が無くなります。仮にそうしてきても怖くはありませんでした。

前回、今回と初手から10手目ほどでどちらかがリスクを負った局面をご紹介しましたが、これは恣意的に選んだわけではなく、序盤の駒組みをどこかで間違うと、おおよそどんな戦型であっても、10手目ほどでまずい局面になるからです。ここでそのリスクに気がつけば、まだやり直しが効くことが多いですが、気づかないとずるずると負けてしまうことになります。

対局の初手から10手目ほどは、一度時間を使ってでも検討し直すいい機会です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?