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折々のチェスのレシピ(170)受けの極意#10

黒は必ず受けないといけない局面です。

b7のビショップ取りに当たっています。c8に一旦逃げておくという手もありますが、だからといって白からは決してナイトとビショップの交換をしてくれないはずです。なぜなら、d6の白のナイトは非常にいい位置におり、なおかつ当面取られることがないからです。例えば、

黒がクイーンでナイトを取りに行こうとしてもルークで受けられてしまいます。また、ビショップをc8に逃すことによって、下段のルークの効きが阻害されるため、いい手とはいえません。

よって、別の受けが必要です。すぐに思いつくのが、

aファイルのルークを横移動させることかもしれません。しかし、この受けでは白は黒のビショップを取ってくるはずです。なぜかといえば、

b7の地点で駒を交換し合うと、白はこの形にできるからです。せっかく一枚多かったポーンを取られて、しかも手番が白に渡ります。上の局面になってしまうと白が優勢です。

よって、

fファイルにいたルークを横移動させて受けるのが最善です。どちらのルークを使うか問題はよく出てきます。二者択一なのに間違ったほうを使うと形勢が不利になることもしばしばですので、ここはある程度熟考して適切なほうを選びたいところです。


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