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チェスのレシピ(101) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために

白はクイーンズ・ギャンビットでこの一局を開始しました。そして、いくつかの駒を取り合い、中盤のある局面です。

一見して白の駒が伸びていることがわかると思います。では、どうやって白は黒を詰み(メイト)まで追い込みましょうか? 白はすでにキングを安全にしているので、ここは踏み込む局面です。

白には二つの選択肢があります。Nxc7とNxb6です。駒を取ってしまうNxb6のほうが局面を簡略化しやすいのでそちらでやってみます。

黒はこの白のナイトをポーンで取るかクイーンで取るか放置しておくかの三択を強いられています。放置しておくとルークが取られてしまうのでどちらかで取ってくるでしょう。白としてはどっちで取ってきてもらっても構いません(これについては後述します)。

ポーンで取ってきた局面です。白はQf2が決まります。

これがナイトをdファイルからどかした効果のひとつです(c4のビショップの効きが通っています)。

もうひとつ、ナイトをどかしたことでdファイルがオープンファイルになりました。これによってルークが黒のキングを直射することができます。

Nxb6のナイトを黒がクイーンで取ってきても同様の展開になり、白の勝ちです。

第1図では、Nxc7とNxb6のどちらでも、d5の地点を開けること、dファイルを開けること、の二つの意図があります。駒を動かす際には、取った取られただけでなく、自分の駒であってもその駒がそこからいなくなったら自分にとって有利ではないか?という視点でもぜひ検討してみてください。そういう局面は結構あるものです。


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