見出し画像

折々のチェスのレシピ(38)

序盤から中盤に移行する辺りの局面から両者にミスが出やすくなります。

第1図

黒はクイーンでe4の地点を狙ってきました。さて、白はどのような手がいいでしょうか。ここで間違うと形勢が黒の傾く可能性もあります。まずは、

争点になっているe4の地点を強化する手があります。これも悪い手ではありません。次に、

e4のポーンはどうぞ取ってくださいという手があります。取ってきたら、

第4図

Qa4とすれば白の優勢です。つまり、e4の地点というのは放置しておいてもいいマスだということがわかります。

また、

この手を入れておくことも可能です。これによって現在f6にいる黒のナイトが展開しにくく、黒はクイーンの可動域が狭いままとなり、クイーンを早く動かしたことを後悔するでしょう。

第1図は白が最善手を指し続けた局面です。「チェスのレシピ」と「新・チェスのレシピ」をお読みいただいた人はここまでは指せると思います。ここから先に未知の局面が出てくるかもしれませんが、今回のように三つの選択肢ぐらいをすぐに頭に思い浮かべることができるようなると、かなり勝てるようになります。

ここで序盤の駒組みをする上でのちょっとしたヒントです。第4図が成立するのは、白が4ランクをクイーンの効きが通るように開けていたからです。e4にポーンは設置していますが、それは取られてもいい駒でした。このように、序盤において4ランクを自分の駒で渋滞させない、可能であれば相手駒も進出させないようにすると、今回の例のように技が効きやすくなります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?