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藤井聡太二冠に学ぶ次の一手(11) 良い子はマネできない一手

次の局面を見ていただきたい。

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第1図 58手目 △4七銀まで

そう、あの局面です。角換わりの本などを読んだことのある人にはお馴染みの局面だけど実践では滅多に見ない局面。

先手が同金と応じると△3八角打とされてしまうので良い子は絶対に取っちゃ駄目と教えられているはず。

この局面が現れたのは、藤井聡太 七段 vs. 佐藤天彦 九段 第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント(2020年6月2日)において。

先手藤井聡太二冠はどう応じたか。それが第2図。

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第2図 59手目 ▲同金まで

取っちゃった・・・。

当然のごとく後手は、

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第3図 60手目 △3八角打まで

と角打ち。

以後、▲3九飛、△4七角成となり先手としては悪夢のような展開かと思いきや、この後先手は後手の大駒を機能不全にしてその間に玉をじっくり追い詰めていく。

その中終盤の攻防も見応えがあるが、もっと驚いたのは第1図の一手前、▲6五銀と指して第1図の局面へ誘導しているように見える点。単なる桂銀交換ではなかったということか。

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