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折々のチェスのレシピ(240)

今回は同じ対局のふたつ局面を比べてみたいと思います。

白はこれによって当面キャスリングができないことになりました(この手筋は何度かご紹介しています)。まだナイトも動かしていませんし、センターを抑えられた格好にもなってしまっています。一目で白が劣勢なのがわかります。

この局面に至る前にいくつものミスを白がしたことが明らかです。その中でも、

この手がかなりの疑問手です。この手を指してしまう人はかなり多いです。確かに黒のナイトをピンしていることにはなっていますが、黒がいますぐこのナイトを動かす理由はなく、白はe5を狙っているわけですが、

例えば、こんな対応で黒としては受けが間に合っています。

よって、黒としてはまったく怖くない手だということになります。それよりも、キャスリングを阻害される手のほうが白としては嫌なはずです。それを放置してまでナイトをピンする理由は見当たりません。

こうした駒組みで白がBg5としたきた時、黒からはいろいろな対応がありますが、いずれにしても白がよくなる筋は基本的に存在しません(黒がミスをしなければ)。

ということで、こうした駒組みで白がBg5とするのはかなりの悪手です。


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