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折々のチェスのレシピ(16)

序盤の早い段階でセンターポーンがなくなると急戦模様になりやすくなります。例えば、

白はdファイル、黒はe、fファイルのポーンがすでに盤上になく、こうなるとまずは中央を固めてという展開にはなりにくく、駒が飛び交う力戦になります。攻撃を仕掛けながら、相手の攻撃も受け止め、さらにはキングの安全も確保しなくてはならず、忙しい展開です。

それだけに双方にミスも出やすいと言えます。もう少し進んだ局面が、

これです。黒にも急戦の意識があったことは確かですが、急ぐあまりクイーンを早く動かし過ぎてしまい、すでにかなり不利な態勢を強いられています。急戦(力戦)は棋力の差が如実に盤上に現れます。

まだ急戦に自信がない段階では比較的緩やかな展開になる駒組みを志向するほうがいいかもしれません。この一局は実は黒から急戦模様の仕掛けをしています。局面を戻してみます。

1手目で黒から突っかけて行っています。白は同ポーンと取り、激しい展開を受け入れました。この後に覚えておいて損はない手筋があります。

前進してきた白のポーンを捌いてしまおうと、またポーンを合わせてくることもあります。その時に、

このように紐付けしておく手も決して悪い手ではありませんが、

e5のポーンはどうぞ取ってくださいという手も魅力的です。なぜなら、取ってくれると、

この手があるからです。駒損せずに黒がこれを受ける手はありません。つまり黒はe5のポーンを取れない(はず)なのです。


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