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新・チェスのレシピ #59 チェスでスコア1300点超えを目指す人のために

無理筋の急戦を仕掛けるよりも序盤の有効な手筋を知っている方がずっと役に立つということを以前書きましたが、今回もそのテーマでいきます。クイーンズ・ギャンビットを採用すると頻出する局面です。

第1図

a6に黒のナイトがいるのがやや変則的ですが、cファイルの自分のポーンが邪魔なゆえにこうするプレイヤーも結構います。その時点で黒はミスをしています。それはここでは問わないとして、この駒組みで黒はc5とポーンを突いた時点でほぼ負けです

白からは主に二つの手筋が考えられます。まずは、中央のポーンを捌いて風通しをよくする手筋があります。これはf1のビショップの効きを通すことが目的です。

ここまで進めておいて、おそらく黒はe4のポーンを取ってくるでしょう。そうしたら、

黒がビショップを戻してチェックを逃れたら、白はNe5とすればオーケーです。そこで黒がb5のビショップを取ってくるかもしれませんが、

これで黒はほぼ受けなしです。

もうひとつの手筋は、第1図からクイーンでいきなりチェックをかけてしまう選択肢があります。

クイーンで合い駒をしてきたら交換してしまいます。交換後、白はNe5として、黒のキングがどこかに逃げたら、先ほどのように中央のポーンを捌いていきます。上図でキングが逃げる可能性もあります。その時も一旦中央を捌いて駒の働きをよくします。

どちらの手順もその先に幾つかの選択肢がありすぐにメイトできるわけではありませんが、すでに白の勝勢です。間違わずに的確に指していけば勝てる局面ができています。

第1図はまだ6手目でしかありません。それでもこんなに大きなミスが黒から出てきます。それを見逃さないのも技量のうちです。こういう手筋が存在することをあらかじめ知っていれば、黒の悪手がすぐにわかるはずです。というより、こういう手筋があることを知っていないと、この黒の手が悪手であることがわからないでしょう。なお、駒の配置がひとつ異なるだけで今回の手筋が効いたり効かなかったりしますので、実践では指す前に確認してください。

ちなみに今回の黒は1300点台後半のプレイヤーです。そのぐらいのスコアのプレイヤーでもこのような大きなミスをします。


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