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折々のチェスのレシピ(122)

黒を持って以下の局面でなんらかの受けが必要かどうか検討してください。

第1図

ルークをe1に動かしてきたということは、白にはe7の地点を争点にしたい意図があります。現局面で黒はc6にナイトがいるため、e7の地点に駒は足りています。しかし、黒としてはc6のナイトをd4に跳ばしたいところです。

そうなると黒はe8にルークを寄せたくなるかもしれません。

これは理にかなった手で、なんの問題もありません。ただし、

白も使っていなかったビショップを繰り出してくるはずです(もしくはh3とするでしょう)。せっかく黒はやや序盤で先行していたのにちょっと残念な展開になります。では、ルークで受けないで攻めを優先させた場合にはどうでしょうか。第1図の局面でナイトをd4に跳ばして、その後に白がQxe7としてきました。

なんだやっぱり駄目じゃないかと思われるかもしれませんが、以下のアニメーションgifをご覧ください。

指了図の時点で黒が優勢です。他の展開も考えられますが、いずれの展開でもほぼ黒にとって好ましい駒組みになります。要は、白がQxe7としてきた時に、取り返さずに放っておけばいいだけです。駒がぶつかると、なんとなく対応しなくてはいけない気になりますが、放置するという選択肢が有効なこともよくあります。

上のアニメーションgifの展開は、黒がルークでe7の地点を受けずに攻めを優先させたことによって実現したものです。仮にe7の地点をルークで受けてからナイトを跳ばすとしたら、下のような局面になっている可能性が高いです。

これでもやや黒が指しやすいとはいえ、ほぼ互角です。ある程度先を読めるようになったら、本譜の場合には攻めを優先したほうが良くなる可能性が高いと思います。

黒の時は初形でキングの右側にいるナイトは、本譜のように、なるべく早く相手陣に近づけてプレッシャーをかける攻撃の駒として使いたいところです(相手の駒組みにもよりますが)。これを覚えておくだけでスコアが50点ぐらいはアップするはずです。


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