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折々のチェスのレシピ(106)

前回は、相手のクイーンを自陣に引き込んで使えなくしてしまう指し回しでした。今回も似たような例です。

第1図

黒がg2の地点を狙っているのは明らかです。g3として受けてしまうと、キングサイドにキャスリングした際に瑕を抱えることになります。そこで取らせてしまいます。

取らせた後の展開はいくつかありますが、一例が下のgifアニメーションです。

白は下の局面でRg1とすれば黒のキングを取りきれてしまうのですが、そこまでしなくても勝てる相手と踏んだのか、ここでキングを取らずに指させています。すでに相手を子供扱いしている雰囲気です。

このようにしてくる黒は多く、そこで前述のようにRg1としてクイーンを捌いてしまう手筋もありますし、またこれとは別の手筋も存在します。

黒がQxg2としてきた際に白はRg1とします。すると黒のクイーンの逃げ場所はひとつしかありません。

ここで白はビショップを突っ込みます。

もし取ってきたら、

両取りが決まります。

ということで、第1図の局面では変に受けるより、g2のポーンを取らせてしまったほうが白にとってはるかにいいことがわかると思います。今回の二つの手筋は是非覚えておいてください。

すでに何度も書いているかもしれませんが、クイーンだけやあるいはもう一枚の駒で攻めていっても適切に受けてくる相手をメイトすることはできません。むしろ今回の黒のようにクイーンが討死することになります。


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