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折々のチェスのレシピ(405)少しだけ高度な知識をあなたに

ある程度スコアの高い相手と対局をするようになると、自分だけが一方的に攻めて気持ちよく勝ちを収めるということはまずなくなります。

第1図

つまり、こんな局面にもなりやすくなります。センターを抑えているのは黒ですが、その代償として右辺を攻められているような展開です。白はマイナーピースが使いにくくなっており、ビショップを黒の右辺から活用できないか、あるいはaファイルを開けることはできないかと考えているところです。

その思惑を通したくない黒はこの局面でそれを阻止する受けの手を選択する必要があります。思わずポーンでポーンを捌きたくなりそうですが、

そうすると、上の局面になることが目に見えています。黒としてはルークの交換に応じるわけにはいきません。なぜなら、

素通しになったaファイルに相手のクイーンが設置されてしまい、いつでもチェックが掛かる状態になってしまうからです。こうなると黒はh6などとして逃げ道を作るしかありません。互角だった形勢が白に傾いてしまいます。

よって、第1図では、

ナイトを逃す手が最善です。右辺が危険に見えるかもしれませんが、ここから白が右辺のポーンをどのように進めてきても黒には受けがあります(むしろ形勢を損ねるのは白のほうです)。

相手の言いなりにならないようにするには、一にも二にも相手の思惑を察知すること以外にありません。まずそれがあって、そしてそこで初めて受けの技術が活きてきます。


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