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折々のチェスのレシピ(14)

「チェスのレシピ」や「新・チェスのレシピ」を読んで頂いた方ならすでに序盤はある程度きっちり指せるようになっていると思います。ということで、駒がぶつかるであろう中盤にかけての局面です。単純な次の一手問題のようですが、いろいろと教訓が含まれています。

第1図

白を持ってまずは次の一手を考えてください。一見するとかなり手が遅れている黒が局面を打開するためにナイトを繰り出してきたように見えます。おそらく心理的にはそのとおりでしょうが、そんなに黒がまずい局面でも実はありません。

というより、ここで白が適切な手を指さないと黒に形勢が傾く局面です。仮に白が次にa3などとナイトの跳び先を受けたとします。すると、

第2図

黒にはこの手があります。なんだ、dファイルのポーンを進めておけばいいじゃないか、と思うかもしれません。そこで、

黒からナイトを進出されると白は困らないでしょうか? 差し迫った脅威はないように感じられますが、白は次の手に困ります。手詰まりの状態です。

ということで、第1図をまた見てください。

第1図再掲

ナイトのd4への進出を阻止するにはこの段階で白は対処しておく必要があります。d4の地点には現段階で2枚の駒が効いているので問題がなさそうに見えますが、先ほどのように黒から駒を足されるといい受けがありません。

よって、

第1図の局面で黒のナイトをどこかに移動させないといけません。これが次の一手の答えです。

では、第2図でポーンを取ったらどうでしょうか?

黒もポーンを取り返してくるはずです。

この駒組みではクイーンを交換するにしてもビショップでdファイルを塞ぐ(Bd3)にしても、キャスリングをしていない白のほうが不利です。


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