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折々のチェスのレシピ(450)少しだけ高度な知識をあなたに

白から初手e4とされた時、

黒が次にどんな手を指したとしてもしばらく黒が有利になる手は存在しません。

例えば、

黒の有力な序盤戦術であるシシリアン・ディフェンスを採用しても、白が最善手を指せばこのようにまだはるかに白が有利な局面を作られてしまいます。

序盤で黒が有利になる手筋は、白が間違えない限り存在しないと考えてください

ということは、黒からすると序盤は耐えるしかありません。耐えながら中盤の入り口あたりかその先あたりで白の緩手(もしあれば)を咎めるか、白のミスを誘うか、実はそんなことでしか黒に勝ちが転がり込んでくることはないです。というぐらい、スコアが上がると黒で勝つことは難しいことです。

ある程度のスコアになると、黒はドローに持ち込む技術が必要とされます。それが面白くないと感じる人は、もしかしたらそこでチェスをやめてしまうかもしれません。しかしながら、黒でドローに持ち込む技術は黒の花形の指し回しでもあります。白は当然のことながら勝ちにきます。それを阻止する(ドローにする)指し回しをすると、未熟な白は焦ってミスを(どこかでほぼ必ず)します。

いきなり対局全体を俯瞰してドローに持ち込む(あわよくば勝つ)技術を身につけるのは無理なので、まずは序盤です。黒には各戦術によって序盤で岐路となる局面が存在します。そこで白が間違うと黒がやや有利になり、あるいは正確に指されるとしばらくは黒にチャンスが巡ってこないといった局面です。序盤は最低でもそうした局面にまで持ち込むのが黒の最初の目標になります。そういう局面についても追々ご紹介していきます。


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