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折々のチェスのレシピ(317)序盤で指してはいけない手100選

今回は緩手を指したのが向こう側として序盤の局面を眺めてみたいと思います。

第1図

時折出会う駒組みではないかと思います。すでにこの時点で白は若干ながら形勢を損ねています。これが白としては指してはまずい一手です。黒はそのちょっとしたリードを少しでも広げたいところです。

ここではいくつかの手が考えられますが、

相手に手を渡さないという意味でも、これが味のいい手です。白はナイトをf3に戻せばいいではないかと思われるかもしれませんが、そこで黒に手を渡すことになり、一手作られてしまいます。c3と紐付けしてもやはり黒に手が渡ります。

よって、

白もNb3として相手のビショップ取りに当てたいところですが、

これをc3で受けたとしても、

戻られるだけです。他の受け方をしても形勢が良くなることはありません。先手の白が序盤で良くする手筋はいくらでもあります。それをあえて指さずに第1図のような手を指してしまうと、せっかくの先手番の優位を自ら放棄することになってしまいます。上の局面の形勢は互角ですが、先手番の優位を手放してしまった白が実質的に指し負けていると言えます。


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