見出し画像

折々のチェスのレシピ(102)

下の局面は、白が駒得を確定させた一手です。

これで優勢は確実です。しかし、賢明なプレイヤーであれば、

ビショップに最低限の仕事をさせてポーンを取ってくるでしょう。

当然、白はポーンでそのビショップを取りますが、実はここからが案外難しい展開になります。というのは、

黒は、白のポーンの進出やクイーンの自陣への侵入を防ごうと、上のような手を指してくるはずです。これに対して白はQb3として別の侵入口を狙いますが、

このように受けてきます。白は、またクイーンをaファイルに戻すこともできますが、それでは千日手(ドロー)になってしまうかもしれません。ということで、白はルークをdファイルに移動させたりしますが、まだまだ神経質な展開が続きそうです。

なぜ駒得しているのに、それほど形勢がよくないのかと不思議に感じられるかもしれません。形勢は勿論悪いわけではないのですが、実は、駒得をするというのは、自分のほうの駒組みにどこか無理があるのが普通です(相手が単純なミスをしない限り)。踏み込んだからこそ駒得していると考えるとわかりやすいかもしれません。

ということで、相手のミスで本当にタダで駒をもらった以外の時は、それ以降、そんなに安穏な展開ではないことが多いです。お互いの駒組み次第なので、一概にはいえませんが、駒得した側は、少しづつその駒得を拡大していく方針でいくのがいい場合が多いです。相手のポーンのひとつでも取る、残っている駒(ナイトやビショップやルーク)を交換してしまうなど、さらに相手の駒を削っていくことを念頭に指していくと、駒得の優位が拡大していくことになります。


この記事が参加している募集

#今買うべきゲーム

1,052件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?