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あわれな状態 将棋会館建設

表紙が欠損しているのではっきりとはわからないが、おそらく「将棋世界」の昭和23年10月号の扉に、将棋会館建設への援助を求める一文が掲載されている。

「現在、棋士団体は技を磨く道場たるべき対局場さえ持たず、今日は好意ある愛棋家の一室を借り受け、明日はお寺の一隅を求めると云うあわれな状態にあります。」

戦後間もない頃のたしかにあわれな状況が切々と訴えられていて当時生きていたらいくばくかでも寄付しようと思ったかもしれない。

とはいえ、愛棋家の一室やお寺の一隅でプロ棋士が指している図を想像すると、一度はそうした対局を間近で見る機会に巡り合いたかったという気がしないでもない。プロとファンの距離がずっと近かったのではないだろうか。

それがいいか悪いかは別として、師匠と弟子の距離も今より近かったということも聞く。


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