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折々のチェスのレシピ(460)少しだけ高度な知識をあなたに

スコアが上がってくると黒は勝つのが難しいと絶望的なことを何度か書いてきましたが、下の局面はどうでしょうか。

見てのとおり黒はシシリアン・ディフェンスを採用しています。これに対して白は両翼にビショップを展開しており、なおかつキングとクイーンが直列するというちょっと危ない駒組みをしています(chess.comで1500弱同士のプレイヤーの実践例です)。

まだ形勢は互角です。ですが、この形ならば黒も十分にやれます。まず、白の次の手が実は結構難解です。キングとクイーンが直列しているのをまずいと感じた場合、

キャスリングをしてくるプレイヤーもかなりの割合で存在しますが、

これがかなり痛い手で、黒が早くも有利から優勢です。

ということで、

白はdxc5としないといけませんが、ビショップをどうしますかと尋ねられます。ここでナイトを取っても白にとっていいことはないため、

引くのが基本です。すると、

今度は別のビショップをどうしますかと尋ねられます。やはりここでナイトを取っても白にいいことはないため引きます。これで黒は白に手損をさせていることになり、また、c5のポーンを黒は取ることが可能です。

なぜ白はどちらのナイトも取ることができないのかですが、別にどっちも取っても形勢自体は互角の範囲ではありますが、仮にどちらも取ったとすると、

この局面になっていて、白は遠くから相手陣に効くビショップがないため、ここからはナイトで手を作っていかなくてはいけませんが、黒はすぐに受ける必要がなく、自分のキングの安全を当面心配することもなく、比較的楽な駒組みが可能です。



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