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折々のチェスのレシピ(97)

今回は、長手数ですが、ある一局をじっくりと堪能してください。

見るべきポイントは、白からクイーンの交換を促した後、キングを動員してのぎりぎりの受けをしながら、ポーンをうまく使っていく白の指し回しです。

最後の最後になるまで白は優勢にはならないのですが、じっと我慢しながら勝ち筋を作っている点、見習うべきことが多いです。

白は、決して派手な手は指していませんが、少しずつ着実に手を作っていっています。

こういう指し回しはなかなか真似ができません。取られると危ない駒には堅実に紐付けし、あるいは、自分から手を作ると不利な局面では手待ちをして相手が指さないといけないような局面を作り、そうかと見れば相手の緩手を確実に咎めており、ほとんど黒に付け入るすきを与えていません。緩急自在で、盤面をすべて使い、ベテランの域に入ったプレイヤーでも難しい指し方だと思います。

自分が黒だったら、この白には勝てないだろうなと思ってしまいます。

下は指了図です。

ここから黒は、ほとんどなにもできないことを確認してみてください。


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