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折々のチェスのレシピ(51)

今回は盤上において一番安い駒とされるポーンの価値について考えてみます。

黒のポーンはeファイル上でダブルポーンになっていて教科書的にはあまりいい並びではなさそうです。しかしながら、白のb、cファイルのポーンは、相手(黒)のキングから遠くにいて、あまり戦力にはなりそうにありません。

一方の黒のポーンは相手(白)に近い位置にまとめています。黒のeファイルのどちらかのポーンは今後の展開によって取られてしまってもそれほど痛みがありません。

黒は、一旦白のクイーンでチェックを掛けられるにしてもh8に逃げておけば問題がなく、どちらか一方のルークを攻めに繰り出すことが可能です。

お互いの駒組みによって一概にはポーンの価値を同定することはできませんが、相手のキング近くで活動できるポーンのほうが価値が高いとは言えます。その駒組みを作り得たのが今回の黒です。

この後、白は少し頑張りますが、

勝つ手段はもう残されてはいません。ポーンを大切にして駒組みした黒に対して、センターポーンを破られ、左辺のポーンを粗雑に、これといった目的なく使った白が屈した形になっています。


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