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折々のチェスのレシピ(32)

「ポーンをおろそかにするものはポーンに泣く」という格言があるかどうかわかりませんが、ポーンの使い方がうまい人は例外なくチェスが強いとは言えると思います。

第1図

黒がb6とポーンを突いてきた局面です。この手の狙いはなんでしょうか。もちろんd6にいるナイトの紐付けを取りたいという思惑があります。しかし取ってくれるはずもありません。よってかなり悪いポーンの使い方です。

次の白の手はe4の黒のポーンを捌いて、なおかつナイト取りに当てたものです。ついでにfファイルのルークの効きを通すという効果もあります。黒は取られそうなナイトを自陣に戻すしかありません。e7ならばQxe6ですし、c7であればe5とどんどん白は手を作ることができます。悪いところが一つもないポーンの使い方です。

極端に良し悪しの別れるポーンの使い方をご紹介したのですが、それ以外にも、第1図を見ていただきたいのですが、白はナイトを相手陣に接近させながら、うまくポーンと連動させています。これは大体においていつもいい形になりやすいです。ナイトだけ単独で敵陣に向かっても駄目なので、ポーンもしくは他の駒と必ず連動させるようにしてみてください。逆に言えば、単騎で自陣に接近してきたナイトはそれほど脅威にはならないということでもあります(局面によりけりですが)。


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