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時計の針は止まったままで
今年で僕は27歳になる。すなわち生まれて27年。でも僕の感覚的には本当の僕の人生が始まったのは3年前の3月から。いや、きっと正確にはあのとき、僕は死んだのだ。そのくらい、僕の全てを変える出来事が3年前に起きた。
’’生まれて’’からの僕は、就職したり実家をでたり、楽曲投稿を始めたりライブ活動を始めたり、さまざまな変化をしてきた。新しい挑戦と言えることも少なからず取り組んだ。
それでも、3年前から根本的には何も変わっていないように思える時がある。
知らない景色をたくさん見て、おいしいものもたくさん食べ、素晴らしい素敵な方々に出会い、もったいないようなあたたかい言葉をたくさんいただいた。
それでも、心の底にこべりついた汚れはいつまでも落ちることを知らない。
3年前の愚かな自分への怒りを、もう二度と会えない人の笑顔を、塗り替え忘れてさせてくれるほどの幸せを、喜びを、僕はまだ知らない。
むしろ失ってしまったものの大きさを、尊さを日々痛感するばかり。
でもきっとこんな血反吐を吐くような思いから抜け出させてくれるのは、誰も知らない幸せをもたらしてくれるのは、他でもない自分自身しかいないのだろう。
そして僕が’’普通卒業’’するすべがあるとすれば、やはり音楽しかない。
今の日々が苦しくてたまらないのは、それだけ音楽に真面目に向き合っている証拠だとそう思うしかない。
今程度の賞賛で満足できないのは、もっと高みを目指しているからだとそう思うほかない。
音楽でどうにもなれなきゃ別に死んだって構わない。
これは比喩などでは決してない。
だって本当は2020年3月に終わっていた人生だ。
それを救ってくれたのは他でもないあの子だ。
文字通り命を懸けて、音楽をやってやろう。
それが止まった針を動かすただひとつの方策だと信じて。
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