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鯛をさばいた

近所の人から鯛をもらった。おおきな鯛。
魚を1からさばいたのは、片手でかぞえても指があまるぐらいしかない。
しかし、ここ最近のうずらはYouTubeでお魚をさばいてたべる動画をみている。ぼんやり眺めてただけの動画視聴はうずらをやる気にさせた。

よくわかんないけど、できるきがする!

うずらは鯛を洗って、まな板に置く。おおきな鯛はまな板におさまらなかった。どうして。
まな板がわりに、撥水しそうな丈夫な紙をしいてふたたび鯛と対峙する。タイだけに。
ついでに、鱗取りの時はビニール袋にいれると片付けが楽という有益な情報を得たのでビニール袋もセットした。さあ、あとはさばくだけ。

うずらはYouTubeで鯛のさばきかた動画※をつける。動画の鯛よりも、目の前にいる鯛が大きいことがうずらをすこし不安にさせたが、時間も夜更け、うずらがさばかなければ鯛は食べれない。鯛とたたかう決意を固め、ハサミを手に取る。

まず、鯛のヒレを切る。
事前に、さばく時は鯛のヒレはトゲみたいになってて、危ないから先に切っておくといいよ。と教えてもらっていたので、うずらはうんうんと得意げに頷きながら動画のやり方をまねしてハサミで切る。切れない。
ヒレの内側の方の細いところは、サクサク切れるが一番外側が硬い。動画はどんどん先に進んでいく。うずらを置いてく動画を止め、呼吸をととのえ、えあ!!おっ?!
不可解な掛け声のおかげか、なんとかトゲを屈服させた。よし。

つぎは、鱗を取る。
準備しておいたビニールに鯛を寝かせる。動画では鱗を取る専用の器具をつかっている…他の動画も鱗を取る器具をつかっている。しかし、うずらのお家にはそんなものは無い。どうにかなりませんかと調べてみるとペットボトルのキャップで代用できるらしい。工程を進められることにホっとしながら、うずらは三ツ矢サイダーのキャップを手に鯛に立ち向かう。

カリカリカリ シャッシャッ カリッカリッ

うずらの爪ぐらいかそれ以上の大きさの鱗が取れていく。あまり力をいれなくても、おもしろいようにパチパチ鱗が身から外れていく。おもしろい。鱗がなくなったところから、きれいな網目模様が見えてくる。鯛の鱗取りは、絵を描いてるときの塗りの作業みたいな楽しさがある。
この時、包丁を入れる腹や背のあたりはしっかり鱗を取っておきましょうと動画のおにいさんが説明していたので、ペットボトルのキャップで取れない部分は手作業で一枚づつ抜いたりして綺麗に鱗を取った。

さあ、つぎはとうとう包丁の出番がやってくる。
ちゃんと魚をさばくための包丁は持っていないので、普通の包丁より刃先が長い洋包丁と思われる包丁を使って切っていく。
動画の見よう見まねで、人生で初めて魚のエラに包丁を入れた。

???

うずらにはどこまで刃先をいれていいのかわからない。わからないけど、たぶんここだろうという向きで包丁を入れていく。動画は手際よく進むためすぐにつぎの工程になってしまうので、幾度かの巻き戻しや停止を経て、生まれて初めてうずらは鯛の…いや、魚のエラを取ることができた。すでにちょっと達成感と満足感があったがまだ、鯛さばきは終わらない。

頭と身体を別ける作業が待っている。この作業が、うずらにとって難しかった。慣れ不慣れとか技術不足とかではなく、ようちえんせえ(自称)の力ではひたすらにパワーがたりない。魚の骨は硬い。
包丁に悪いことをしていると思いつつも後には引けないうずらは、包丁をガンガン打ち付けることでどうにか、頭と胴の分離に成功した。
見ていた動画ではこの後、カマを取ってさらに頭部分を真っ二つにしていたのだが、うずらの前にいる鯛はそれを許さなかった。鯛、硬すぎる。
カマだけはなんとか切り離すことができたので今回はそれで良しとした。

この先は、骨ではなく身を切るのでうずらでも簡単に切ることができた。簡単すぎて、内臓を取るときに深く刃先を身に刺してしまってすこし内臓を切ってしまった…。むずかしい。

内臓を取り出したら、浮き袋を切って、しっかり洗う作業をすすめる。背骨の血を抜くためにくり抜いた内臓側から背骨に包丁でガリガリと傷をつけてから、鯛をシンクに移す。洗うときにも、本来なら専用の箒みたいなプラスチックのブラシのような道具が必要らしいがまたしてもそんなものは無い。水だけでは洗いきれないため、しかたがないので歯ブラシを犠牲にして代用した。犠牲になった歯ブラシのおかげで、鯛はピカピカに洗えたので満足。

きれいに洗ってもらえてさっぱりしたであろう鯛を、まな板にもどし鯛をおろしていく。動画を見本にまずは3枚おろしに。おもて面とうら面でサイズがだいぶ変わってしまった気がするけどたぶん気のせいということにして、さらに背側と腹側にわけていく。動画では皮の引き方も説明されていたので、片側だけ皮をひいてみた。力加減がむずかしい。

そうして、かれこれ二時間かけてうずらは鯛をさばくことに成功した。完成した鯛は気のせいでは説明のつかないアンバランスさをみせつけてきたが、自分でさばいた鯛はとってもおいしかった。

うずらvs鯛 うずらの勝ち!


※お手本にした鯛さばく動画のURL
https://youtu.be/6LQmtvNx2OE )

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