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Reproが日本発グローバルIT企業のファーストペンギンを目指すようになった理由

rebornの揺さぶるメディア(仮)は、【認知変容によって企業価値を再定義する】をテーマにしています。

今回は、Repro株式会社代表取締役の平田祐介さんにお話を伺いました。3度の起業を経験し、現在は積極的にグローバル展開を図る平田さんですが、その裏には決して順風満帆とは言えない日々がありました。不安を抱え迷いながら、どのように認知変容を起こし成長してきたのか。reborn株式会社代表の羽渕彰博がその経緯を伺っていきます。


劣等感を持ちたくなくて17歳から起業して成功することを志す。

羽渕:まずは平田さんの背景を理解したいのですが、起業しようと思ったきっかけはありますか?

平田さん:僕は慶応高校出身なんですが、周りに有名企業の創業者の息子が多くて、すごい世界を見させてもらったんですよ。その一方で、もし彼らの企業に入ったら、経験とか実績などに関わらず、彼らが僕より上のポジションにくるんだろうなっていう絵がみえて、率直に理不尽だと思ったんです。

羽渕:確かに。実力ではないところで評価が決まるのは理不尽さを感じますよね。

平田さん:同級生たちと競争するのではなく、むしろこういう状態にした彼らの親、つまり創業者を目標にしない限り、一生劣等感を持つんだろうなと思いました。当時17歳だった僕は、創業者になるために起業しようと決めました。

羽渕:17歳から起業を志されていたのですね。社会に出てからはどうされたんですか?

平田さん:実はRepro株式会社の前に、2回起業して2回とも失敗してるんです。2回目に失敗した後が人生のどん底でしたね。子どもが産まれたばかりなのに借金を抱えてしまい、家に十分なお金を入れることもできませんでした。
とにかく自信を失ってしまって、一瞬自殺が頭をよぎったこともあります。

羽渕:そこからどうやって再チャレンジしようと決意できたんですか?

平田さん:もう1度起業して失敗することよりも、自分で立てた目標を諦める方が怖かったからです。17歳から起業して成功することを目標にしてきたので、その夢を諦めてサラリーマンに戻ることは、自分の人生を歩まなくなることと同じでした。もちろん、もう1度チャレンジすることもめちゃくちゃ怖かったけれど、自分らしく生きられない恐怖よりはましだったので、これが最後と決めて3度目の起業をしました。

羽渕:なるほど。17歳の頃に感じた恐怖は相当なものだったのですね。


果たして売却や小さくIPOすることが目標なのだろうか

羽渕:Repro株式会社を創業したあとはどうでしたか?

平田さん:起業して失敗した経験のある2人で創業したんです。まず、自分たちには成功体験が必要じゃないかと考えました。そのため、創業当初は2~3年以内に10億円ぐらいで売却できればいいと思っていたんです。

羽渕:10億円で売却できたら、世の中的には成功者ですよね。現在も売却してないってことは何か認知変容が起きたのですか?

平田さん:創業から3年が経った頃、改めて初期メンバーと売却について話し合いました。
Reproも大きくなっているタイミングでしたし、3度目の起業で初めて「順調かも」って経験をしていたんですよね。創業時は、ただ成功体験が欲しくて頑張っていたのですが、どんなに忙しくても「仕事をしている実感」に喜びを感じていて、その気持ちをメンバー全員に伝えました。

羽渕:成功体験は売却せずとも感じていたかもしれませんね。メンバーはどんな反応でしたか。

平田:一部の責任者以外は、実は売却ってやめた方がいいと思ってくれていたんです。せっかくここまで育ててきた会社だし、忙しいけど充実感をすごく感じてると。そこで、売却ではなく、IPO路線に切り替えました。

羽渕:なるほど。自分の成功のためから、仲間と本気で志に取り組むことが大切だと認知変容が起きたんですね。。

平田さん:はい。でもIPO路線に決めたのは良いものの、その後で恐怖心や不安が襲ってきました。

羽渕:え、どういった恐怖心ですか?!

平田さん:当時、スマホアプリに特化したマーケティングツールを提供していたのですが、スマホアプリの時代はどこかで終わると思っていたんです。そんなふうに考えている会社が、IPOをしてもいいのかという思いがありました。

羽渕:IPOできるかもしれないけど、その後の市場が縮小する可能性があったんですね。

平田さん:そうなんです。ギリギリで無理やりIPOして、その後低成長になるのは、世の中に対する不義理だと思っていたので。やるからには、僕が株主からクビになるまでやり切らなければと考えてたら、軽いうつ状態になりました。メンバーは本当に信頼できるのか、ひょっとしてIPOしたら離れていってしまうのではないかと、一気に不安が押し寄せてきました。

羽渕:わかりますよ。仲間の人生を背負って本気で志に取り組んでいるのに、IPO後に誰もいなくなってしまうのは恐怖ですよね。IPO後も目指せる大きな目標を見出せてはいなかったのでしょうか。

平田さん:そうですね。葛藤していたときに、僕の目標を変えるキッカケをもらったのが、インターン生でした。


インターン生との再会で見つけた新たな目標

羽渕:何があったんですか?

平田さん:Reproが成長してきている頃、70人の応募の中から、志を持つ学生5人だけを集めてインターン生のチームを作ったんです。コンサルの基礎を学ぶため、彼らと不眠不休でクライアントに向き合う日々を4カ月ほど送りましたよ。ある時、ふと「どうして彼らはこんなに努力できるのだろう」って思ったんですよね。きっと、明確な目標があるからだろうと、聞いてみたんです。

羽渕:インターン生たちはどのように答えたんですか?

平田さん:みんな夢や目標がないって答えたんです。その答えが自分の原体験として大きな影響力を持っています。

羽渕:え、夢や目標もないのに、一生懸命頑張ってたんですか!?

平田:今はネガティブなニュースが溢れているし、ビジネス雑誌を見たらどうやってこの世の中に備えるかといった問いかけばかりなんですよね。今の若者はいつもそういうものを目にしている。だから彼らは、夢を語る前に自分の身を守る術を習得しないといけないと考えているんです。夢を語れるほど日本の将来が明るくないと判断しているんですね。この話を聞いて、「ヤバいな日本」と思いましたね。

羽渕:みんな、スキルを身につけて自分の身を自分で守っていかなければという恐怖で行動しているのかもしれませんね。

平田さん:そうですね。IPO路線を考えて、でも不安が拭えない日々を送っていた時に、そのインターン生のひとりと再会しました。久しぶりに話をしたら、彼は自分のやりたいことが見つかり、それにコミットしていますって言うんです。そしてインターン時代のお礼を言われました。
「"この会社についてきたら、夢や目標ができたときにそれを勝ち取る実力を学ばせる"と言ってくださりありがとうございました!おかげで今回勝ち取ることができました」と。

羽渕:うわ〜泣ける!

平田:その瞬間、今後自分が人生をかけてやっていきたいのはこれだと思い至りました。それまでは「成功体験がほしい」「会社を高値で売却したい」といった自己実現にフォーカスしていたけれど、若者の目標となる存在になることで日本の課題を解消していきたいと考えるようになったんです。そこからはうつ状態もなくなり、本当に自分がやりたいことに前向きに向かっていけるようになりました。

羽渕:なるほど。まさに「認知変容」が起きた瞬間ですね。劣等感を感じて生きる自分を避けたくて起業し、17歳からずっと自分が成功するために行動してきた。それがインターン生の言葉をキッカケにして、「未来の志を創る」という目標に変わったんですね。

平田さん:日本のこれからを背負っていく若い人たちが、自分の目をキラキラ輝かせながら夢とか目標を語れない国って、どんなにお金があったとしても豊かじゃないなって本気で思ったんですよね。

ファーストペンギンは夢を目標に変える装置

平田さん:日本スポーツ業界は、この30年間でグローバルに活躍する人材が増えています。
例えば野球ですね。以前はメジャーリーグで活躍するのは難しかったですが、今は多くの日本人選手が活躍しています。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、メジャーリーガーである大谷翔平選手が、日本を3大会ぶりの世界一に導く活躍を見せて、MVPをとっていますよね。

羽渕:野球でもサッカーでもグローバルで活躍する人材が増えていますね。

平田さん:一方でビジネス界は、グローバル企業になったのって唯一ユニクロぐらいで、もともとグローバルだった企業は負け続けている状況です。この状況を打破して、若者が夢や目標を追いかけるためには、「ファーストペンギン」が大事だなと思いました。

羽渕:集団行動するペンギンの中から、天敵がいるかもしれない海へ魚を求めて最初に飛びこむ「ファーストペンギン」ですね。スタートアップ業界でも、リスクを恐れず初めてのことに挑戦する一人目を「ファーストペンギン」と呼ぶんですよね。
グローバルで活躍する人材を増やすために、なぜ「ファーストペンギン」が重要なんですか。

平田さん:「ファーストペンギン」は夢を目標に変える装置なんです。
以前は、日本人がメジャーリーグに行けるなんて誰も思ってなかったですよね。でもある日突然、野茂英雄投手っていう「ファーストペンギン」が現れたんです。彼は、みんなが夢だと思っていたメジャーリーグで活躍し、ノーヒットノーランも達成した。一人の変態が道を作ると、それを見ていた子どもたちは「僕も将来野茂英雄みたいにメジャーリーグで活躍したい」ってなる。
見るだけだった夢を目標に変えてくれる効果があったんです。

羽渕:「ファーストペンギン」が、諦めていた夢を具体的な目標に変えてくれたんですね。

平田さん:IT業界では、シリコンバレーやイスラエル、中国が強くて、日本人が活躍するなんて夢物語の状態なんです。でも、諦めずやり切ることだけを決めれば、どこかで達成できると思っています。
日本の子どもたちが、「あの平田やReproでもできたんだったら、俺もやってやる」って目標を持ってくれたら、人生を真っ当できたなと思えますよね。そのために邁進しています。

羽渕:ビジネス界のグローバル人材としての「ファーストペンギン」に挑戦しているんですね。

平田さん:社員からも、「平田はそんなことを本当にできるわけない」って思われています。まだ全然やれてないですけども、自分もそこに一石を投じられる可能性があるなと思ったので。「本気で社内外に言っておいて、達成できなかったらダサイよね」って自分自身にプレッシャーをかけながら前進している感じですね。

羽渕:今後グローバルで勝っていくために、課題に感じていることはありますか?

平田さん:会社の規模が大きくなって従業員数が増えてくると、同じ志や本気度を持ってもらうことが難しくなってきていると感じていて。志を引き出すために、社員それぞれが「自分のなりたい自分」を描けるように取り組んでいます。ただ、まだ足並みはそろっていないですね。

羽渕:まずは社内から志を持つ人を増やしていきたいですね!

終わりに
平田さんのインタビューを通じて何度も認知変容が起き、志が変わっていくと感じました。認知変容が起きるための共通点として、自分がどうありたいか自己と向き合うことや周りと本音でぶつかるガチ対話をしながら背負っていくこと。自分だけでなく、他者(仲間や未来の子ども達)を背負っていくことで志が大きくなっていくんだなと思いました。

rebornも、本気で自分と向き合うことを徹底し、誰かの「認知変容」をサポートしている部分では近しいものを感じます。

ご興味をお持ちいただけましたら、rebornの公式Twitter経由か、rebornのメンバーの知り合い経由で直接コンタクトしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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ライター:清水渚
編集:羽渕彰博
校正:森まゆみ


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