Vol.6 スポーツの本質、知ってますか？

みなさん、唐突ですがスポーツをする目的ってなんですか？

今や様々な目的があってスポーツをなされていると思います。

プロ選手になる、健康のため、モテたい、友達を増やしたい、運動神経を養いたい、強くなりたい、かっこよくなりたい、綺麗になりたい、集中力をつけたい、マナーを学びたい。などなど言い出せばきりがないですよね。本当にたくさんの理由や目的があると思います。

では本来のスポーツの目的ってなんなのか？

結論から言うと、"楽しく健康に生きるための行動" なんですよね！

そしてこの健康とは身体のことだけではありません。身も心も健康でないと意味がないのです。それらを養いましょう！と言うことでスポーツとなったんですね！

では日本ではいつ頃からスポーツが行われていたのでしょうか？

日本にスポーツが入ってきたのは明治時代で、それより前はスポーツではなく古くから伝わる "武(士)道" (以下、武道)と言うものがありました。ちなみにイギリスでは16世紀ごろにスポーツというものが形成されています。

つまり、スポーツができてから日本に入ってくるまでの間はなんと200年！

その200年の間にスポーツと武道は大きな違いが生まれているんですね！

一体どんな違いがあるのか？まずはスポーツから見ていきましょう！

スポーツの三要素は、

肉体的刺激 / 競(闘)争 / 遊戯 と言われています。そうなんです、遊戯もしっかりと要素の中に入っているんです。

sports の語源はラテン語の deportare と言われています。

de → away / portare → carry を意味していて、これを日本語に訳すと "運び去る / 運搬する" という意味になります。

運び去る → 気分を転じる と解釈され 精神的なものを意味するとされています。つまりは "義務(しないといけないこと)からの気分転換" ということなのです。

対して武道はどうでしょう？

実は前２つの 肉体的刺激 / 闘(競)争 は同じなんですね。そして一番の違い。

スポーツは遊戯なのに対して、武道は "精神の鍛錬" なんですよね。

当時の時代背景などもかなり影響しているんですが、まだまだ生きるのに必死だったんですよね。自分の身は自分で守らないといけない。つまり強くならないといけない。戦いに負けることは許されない。そんなこともあり、遊び心を持って何かをするという余裕はなかったんだと思います。

僕は4歳から空手道場に通っていました。物心がついた時から武道の道を歩んできたんです。ダラけた時期ももちろんありましたが、僕なりに本気で取り組んだ時期もありました。正直にいうと楽しい時なんてなかった。遊び感覚なんかでやってなかった。練習に練習に練習。自分の道場の練習に加えて、他道場への出稽古、日曜日は大会や合同練習。ずーっと空手をやっていましたが、遊戯のゆの字もありませんでした。それは武道には遊戯の考えがなかったから？いえ、違いますね。武道と言えど、今では立派なスポーツです。ではなぜ遊び心を持てなかったのか？

それなりに本気だったからだと思います。その種目に本気で取り組んでいた。

そう、ここが落とし穴なんです。スポーツの本気ってなに？

スポーツとなれば勝ち負けがある世界。やっぱり勝ちたいですよね！？そのためにしんどい練習も頑張るんですよね？そんな状況で楽しめる？ずっとそー思っていました。ただ、楽しみ方って色々あるんですよ！楽しく練習するのも１つの楽しみ方。勝った瞬間に喜びが爆発し、それを楽しむのもひとつの楽しみ方。

カナダのラグビーチームをトレーナーとしてサポートさせていただいた時、みんな笑いながら口を揃えていうんですよ。

"Taka!! 今日のゲームしっかり楽しめたか？"って。

勝っても負けても毎回笑顔で言われました。負けた時はもちろん険悪なムードな時もありました。でも、負けが決まった瞬間に、顔あげよう！って笑顔で言う選手もいました。逆にその時は悔しくて怒っているけど、着替え終わった頃には笑顔で話している選手もいました。それぞれの楽しむタイミングが違う証ですよね！

負け試合の後、盛大に笑いながらビールを飲んでるくせに、とあるタイミングで反省会が始まるんです。その瞬間、みんなが真面目に取り組み話し合う。その場で練習しだす選手もいました。そして反省会が終わった瞬間、また笑顔で浴びるようにビールを飲む。

僕はこれが本気で取り組むってコトなんだって思いました。

２４時間気張ってそのコトを考え続けるのも大切かも知れません。ですが、しっかりと楽しめないと、そのスポーツを通して学べるコトが減ってしまう、楽しめることが減ってしまう気がしまう。勿体無すぎません？

せっかく自分が好きでやってるのに、気がつけば楽しむことなんてなく、勝つことだけが正解になってしまう。そして引退した時、あなたにはなにが残っているのでしょうか？