水が生まれるところを見た。 内藤礼「母型」豊島美術館
水が生まれるところを見た。
水が生まれ、湧き出て泉になり、また消えてゆく。
私は地べたに顔をつけ、それをずっと眺めていた。
生まれては消え、また生まれる。
風が吹いて、虫の声が聞こえる。木々も揺れているようだ。
外を感じながら、中にいる。
なんだか母の胎内にいるような、大きなものに守られているような安心感。
床がひんやりと心地よい。
ふと顔を上げると、同じように床に寝ころび眺める外国の家族連れと目が合い、笑顔を交わす。
今、皆で母型を味わっている。
初めて訪れたのに、